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――『ライブラリアン』はTVドラマですよね。
手島さん「アメリカですごい人気があって『1』と『2』があるんです。主人公は歴史とか考古学とかのオタクで、とにかく博識…なんですけど、へなちょこ(笑)」
山下さん「『インディ・ジョーンズ』みたいな感じの作品ですか?」
手島さん「その現代版なんですけど、さらにオタクで弱っちいんですよ。体力は本当にのび太級で、どこに行くにもひたすらてくてく歩いてる。インディほどキザに女の子を口説けない上に、向こうからアプローチしてきても逃げ腰で、しかも気づかない…」。
松尾さん「あららら。目が離せない(笑)」
手島さん「『1』では、女の人にずっと守られっぱなしだったのに、『2』では若干で奢りが出てくるんですよ。“こんなにがんばってるんだから、認めてくれてもいいじゃない!”とかって言い出して(笑)。ダメ男なんですよね」


津野さん「『プロジェクトBB』もダメ男が出てきますね。これは、ジャッキー・チェンが初めて悪役に挑戦しているんです。悪役なんですけどモラルを持っている。赤ちゃんを盗む羽目になるんですが、だんだん赤ん坊を守る役になるんです。このジャッキーの相方のルイス・クーが、奥さんが妊娠中なのに相当冷たく当たっています。そこがまた悲しいというか、ダメ男が好きな人にはグッとくるかも(笑)。それにジャッキーが、赤ん坊に対する父性というか、男の性みたいなものを見せて、赤ん坊の笑顔を見て、顔がゆるむところとかがグッとくるんですよ」
佐藤さん「ギャップじゃないですか? 初めは悪いヤツなんだけど、ある一定でがらっと変わる。そういうギャップにグッときたりしますよね」
津野さん「そうなんですよ!」


──『ザ・シューター/極大射程』のマーク・ウォルバーグは逆ですよね。
松尾さん「マークは笑わないんですよ、一度も。ジョン・ウェインとか、西部劇に出てくるようなキャラクターにかぶりますね。自分を必要以上に大きく見せないし、すごくタフで目的を達成するためにだったら突っ走り続けるところが男気満載な感じで、今の映画にはあまりいないキャラクターでいいな、と。影があるのがいいですね」
佐藤さん「マークって昔は悪かったみたいですね」
山下さん「でも今では『ディパーテッド』でアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされるまでになりましたもんね」
──肉体演技派ですよね。
松尾さん「本当は来日した時にタンクトップ姿で来るって思いこんでいたんですよ(笑)。でもスーツ着て、めちゃめちゃ爽やかでしたね。そのギャップが良かったです(笑)」



佐藤さん「ギャップと言えば、『スパイダーマン™3』のニューゴブリンもそうですね。ネタばれになるからこれ以上は言えませんが(笑)。それに、出てくるキャラクターも必ずどこかに影があるんです。何か宿命を背負っているというか。やっぱり、それなりの背景があって、宿命があって、それがキャラクターの影となって話を盛り上げるというイメージがありますね。
シリーズごとに新しい視点でアプローチしてくるのはさすがサム・ライミ監督といったところ。彼の『死霊のはらわた』シリーズが、初めにホラー、次にコメディ、最後がヒーロー物と視点を変えていったみたいに、『スパイダーマン™』シリーズでも意外な視点からツボを刺激してくれるんですよ。


──シリーズ物と言えば、『ゲゲゲの鬼太郎』はその予定はないんですか?
山下さん「今のところその予定はないんです。『ゲゲゲの鬼太郎』はとにかく、キャスティングが素晴らしいんですよね。ただ、ウエンツくんはやっぱり意外(笑)、美しすぎるんです。ほかはキレイに分かりやすいはまり役なんですけどね。でも結果的にすごくはまった感じです。この映画のウエンツくんは基本的に受けの芝居が多いんですけど、目にすごい力がある人なので、ちょっとしたカットがすごく良かったりするんですよ」
手島さん「逆の意味で、髪の毛飛ばし技をやった時のウエンツくんにもグッときますよね」
山下さん「それは少数派のありがたい意見ですね(笑)。でもやっぱり利重剛さんの父親と息子のエピソードが一番グッとくるかな(笑)。ちょっとダメなお父さん」


北沢さん「やっぱりダメ男には惹かれちゃうんでしょうか? 『サン・ジャックへの道』にもいろんなタイプの男性が出てくるんです。主人公は3人の兄妹で、彼らが遺産相続の条件として巡礼をしろって言われるんです。3人は元々仲が悪いんです。しかも長男だけがお金持ち。巡礼なのにもかかわらず運転手を呼んで車で移動しようとしたり…。でも、その彼が『僕はみんなと歩きたい』って言い出すんです。『初めて無心で何かをやろうとしているんだから止めないでくれ。』っていうセリフがいいんですよ。
それに、歩いている途中で止まる宿で、ちょっとした人種差別があったんですね。そこでこの彼が、『みんな家族なんだ、ずっと一緒に歩いてきたから、みんな一緒じゃなきゃ泊まらない。帰ってやる』って言うんです。この物語の中では彼が一番成長したのかなと思っています」
映画やDVDを観ていて“ぐっとくる”ポイントは人それぞれですが、やはりキャラクターの成長や演じる俳優のイメージとのギャップには観る者をストーリーに引き込む力があるんですね。それは普段の生活ではあまり感じることのできないものだからなのかもしれません。
『ライブラリアン』の主人公に母性本能を刺激され、ジャッキー・チェンの作品にいつまでも変わらない良さを感じ、芯のぶれない強さを『ザ・シューター/極体射程』に見出し、『スパイダーマン』シリーズに醸し出されるキャラクターの影に惹きつけられ、美しい俳優が妖怪を演じる意外ぶりに驚き、奥深い群像劇に人間の成長を感じる──。
それぞれ違う魅力を持つ作品ですが、グッと心を掴まれてください!
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