



『レッスン!』の魅力はなんと言っても、主演のアントニオ・バンデラス。これまでの『デスペラード』シリーズや『マスク・オブ・ゾロ』などで魅せてきた熱いラテンの血は封印。ピシッとしたスーツを着て、ピカピカの革靴を履いて、女性のためにドアを開けてあげる。悩める高校男子の恋の悩みを親身になって聞いてあげる。女子生徒から“きもい”呼ばわりされようともイヤな顔をせず、ニッコリ微笑むのだ。
まるで、それまでの人生で声を荒げたことなどないかのような、穏やかで謙虚な紳士っぷりを見せてくれる。かと思えば、金髪の美しい女性と情熱的でセクシーなタンゴを踊ったりもする。こんな先生がいたら、まずは真剣に勉強すること間違いない。

『レッスン!』はピエール自身の人生を映画化した作品。ピエールは、ワールド・エキシビジョン・チャンピオンシップで4度優勝し、ミュージカル「GRAND HOTEL」で、“ブロードウェイにおける最高のダンス”に与えられるアステア賞を受賞、ニューヨーク・タイムズ誌からは「非凡なダンサーそして教師」と讃えられるほどの腕前。現在は、ニューヨーク市の公立学校で“ダンシング・クラスルームズ(ダンス教室)”の監督を務めている。そんな彼の本来の姿はドキュメンタリー映画『ステップ!ステップ!ステップ!』で確認できる。

実は素晴らしいダンスの才能を持つラレッタを演じたヤヤ。父のいない家庭で幼い弟妹たちの面倒をみる優しい姉という大人っぽい姿と同時に、クラスのリーダー格・ロックといがみ合いながらも惹かれていくという普通の女子高生らしい姿も見せてくれる。まだ女優としてのキャリアは浅いが、将来は有望。

セクシーな白人のサーシャを演じたジェナ・ディーワンは、元々ダンサーとしてミュージックビデオなどに出演していた経歴を持つ。その腕前は『ステップ・アップ』で証明済み。本作では、パートナーを巡ってちょっとした三角関係にも発展するなど、スパイス的なキャラクターを演じている。


「社交ダンス? あんなかったるい音楽に合わせて踊れるのかよ!?」。落ちこぼれの生徒たちはピエールの提案を笑う。そんな生徒達の嘲笑にもめげずに生徒たちに人生の楽しみ方を教えようとするピエールはある日、美しい金髪の女性をパートナーに情熱的なタンゴを踊ったのだ。その官能的なダンスが生徒たちの心を動かした!
少しずつピエールに心を開いていく生徒たち。やがて彼らは、社交ダンスとHIPHOPの音楽の共通点を見つけ、新しいダンスを作り出していく。そんなとき、ピエールは生徒たちにある提案をする。「ダンス・コンテストに出場しよう! 君たちなら優勝できる!」。果たして彼らは優勝出来るのだろうか?


本作には数々のHIPHOPナンバーが登場する。中でもブラック・アイド・ピーズの「Feel It」はそれほどHIPHOPに詳しくなくても、一度は耳にしたことがあるのではないだろうか? 実は本作のメガホンを取ったリズ・フリードランダー監督は、U2やニュー・ファウンド・グリーン、ミシェル・ブランチなどのミュージック・クリップの制作などでキャリアを積んだ、いわゆる音楽畑の人なのだ。加えてクリスティーナ・アギレラやナタリー・コールのレコーディングスタッフとして活躍しているアーロン・ジグマン、カシーム・ディーンとしても知られるHIPHOP界の実力者スウィズ・ビーツが音楽として参加している。納得の選曲とサントラだ。

ブラック・アイド・ピーズを始め、ボーン・サグスン・ハーモニーの「Take That Lead」、ライムフェストの「These Days」などグラミー・アーティストが盛りだくさん! ほかにも、“God MC”の異名をとるラッパー、Rakim(ラキム)と彼の相棒、エリックBがジェイ・ミルズらとコラボレートした「I Like That You Cant Take That Away From Me」など、HIPHOP好きにはたまらないナンバーが盛りだくさん。ボーナストラックとして、1970年代前半に活躍したロックバンド、スライ&ザ・ファミリーストーンの「Que Sera, Sera」も収録されている。

『TAKE THE LEAD』ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK
UNIVERSAL RECORDS/輸入盤 B0006372-02

「ザ・ビートルズ主演のドタバタコメディ」
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