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『コラテラル』マイケル・マン監督記者会見

銀髪&不精髭でファンの意表をついた『コラテラル』のトム・クルーズ。それもそのはず、10月のシネマカフェ[FEATURE]でも特集している本作でトムは初の悪役に挑戦しているのだ。首都圏が台風で荒れた10月21日、残念ながら仕事のスケジュールでひと足先に帰国したトムの分までマイケル・マン監督が自作の魅力についてたっぷりと語ってくれた。

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銀髪&不精髭でファンの意表をついた『コラテラル』のトム・クルーズ。それもそのはず、10月のシネマカフェ[FEATURE]でも特集している本作でトムは初の悪役に挑戦しているのだ。首都圏が台風で荒れた10月21日、残念ながら仕事のスケジュールでひと足先に帰国したトムの分までマイケル・マン監督が自作の魅力についてたっぷりと語ってくれた。

今回が4度目の来日となるマイケル・マン監督は、普段とは逆に撮られる側になって少々とまどい気味の様子。しかし質疑応答が始まるとひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた。

見どころはなんといっても「もっとも危険なトム・クルーズ」だが、初の悪役を演じるにあたってトム・クルーズは当初は躊躇を示していた。それをマン監督が電話で説得し、今回のコラボレーションが実現したのだ。トムが演じたビンセントというキャラクターは確かに冷酷非道な殺し屋である。しかし「そこに至るまでにどんな経緯があったのかをきちんと説明することによって最終的にはトムも納得してくれた」という。

『コラテラル』はたった一晩の物語だ。監督はその「夜」を活き活きとした生き物のように描くために特別のビデオカメラを開発して撮影に挑んだ。「ビデオカメラを使うことによってより詩的な絵画のような映像を撮れた。ビデオでなければこの映像は撮れなかった」との発言からは映像に対する監督のこだわりがうかがえる。ちなみに監督が日本に到着した夜は折りしも台風の真っ最中。東京の夜景については「それはそれは素晴らしかった」と笑いを誘った。

今回は「10時間」という短い時間を描いているため、登場人物たちの衣裳も限られてくる。監督が「この一着にすべてをかけた」というトム・クルーズが着ている渋いグレーのスーツは香港製の特注品だそうだ。この衣裳を決めるにあたっては「(トムが演じる)ビンセントという役柄のバックグラウンドを細かく設定し、その人生を生きる人間がどんなスーツを着、どんな靴を履き、どんなヘアスタイルをするかを考えていった」というだけあって、服だけでなくちょっとした表情や仕種にもその役が背負ってきた人生が垣間見られる。

『ヒート』に続いてLAを舞台にした本作だが、実はLAで映画を撮るのはあまり楽ではなく、中でも一番大変だったのは高速道路を封鎖することだったという。また、ジェイミー・フォックスが運転するタクシーの前をコヨーテが横切るシーンは物語のアクセントになっているが、さすがのマン監督も動物には苦労したようだ。監督いわく「コヨーテは調教できないので難しい。ほんの一瞬のシーンなのに撮り終えるまでには3ヶ月もかかった。3ヶ月間ずっとそのシーンだけを撮っていたわけではないけどね(笑)」

『コラテラル』というタイトルには“意図せぬ巻き添え”という意味があるがマン監督自身は映画のタイトルをつけるのがあまり上手くないという。自作の中では『ラスト・オブ・モヒカン』が一番気に入っているそうだ。

ところで本作ではアカデミー賞の呼び声も高いトム・クルーズだが監督の予想はというと…。「まずトムが主演男優賞にノミネートされるだろう。それから相手役のジェイミー・フォックスは『コラテラル』で助演男優賞、『レイ』(2005年公開予定)では主演男優賞の候補にも上がるだろうね。その他にはガエル・ガルシア・ベルナル(『モーターサイクル・ダイアリーズ』)、ジョニー・デップ(『シークレット・ウインドウ』)、レオナルド・ディカプリオも入ってくると思うね」。誰が獲ってもおかしくないだけに結果が楽しみだ。

「私は俳優を尊敬している。自分は役になりきることはできないが、彼らは私の代わりにそれをやってくれる。互いに尊敬し合っているからこそいいものが作れるんだ」との言葉通り、一作ごとに前作をしのぐ作品を作りつづけているマイケル・マン監督。どちらかというと男性ファンの多いマイケル・マン作品だが、男たちの信頼関係が生んだ濃厚な人間ドラマは女性にとっても男の本音を知る上でいい参考になりそうだ。次のデートの予定が決まっていないカップルは『コラテラル』を試してみては?
《シネマカフェ編集部》
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