『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』ニルス・ミュラー監督インタビュー

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『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』ニルス・ミュラー
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今から30年前、当時のアメリカ大統領、リチャード・ニクソンの暗殺を企てた男がいた。彼の名はサム・ビック。サムの計画は民間機をハイジャックし、ホワイトハウスへ突っ込むというあの9.11の悲惨なテロ事件を彷彿とさせるものだった。『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』はこの実話をもとに描かれたひとりの男のドラマだ。構想から完成までに5年をかけ、世界各国から高い評価を受けている本作の脚本・監督を務めたニルス・ミュラーに今の思いを語ってもらった。

「日本に来てからはまだホテルにこもりっきりなんだけど、来日できてとても嬉しいよ。早く街を探検してみたい。日本で『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』が公開されることになって、大変光栄に思います」と語ってくれたミュラー監督。カンヌやトロント映画祭でも高く評価された本作だが、政治的論議を巻き起こす内容なだけに、製作にあたっては障害の連続だったという。

「ディズニーが『華氏911』を避けたように、ハリウッドは議論を呼ぶような作品には手を出さない。でもだからこそ、インディペンデント映画に意味があると思うんだ。まず脚本を書き終えても、予算取りが難しかった。その時に相談したのが大学時代の友人、アレキサンダー・ペイン。彼が紹介してくれたプロデューサーによって脚本がショーン・ペンの手に渡り、彼の出演が決まったんだ。しかしキャストが決まっても、9.11後はますます予算取りが難しくなってしまった。ほかにも色々な困難はあったけど、あまりにも多すぎて延々と語り続けてしまうよ」。

そんな中、本作の製作をサポートしてくれたのは、ペインとともに製作総指揮に名を連ねるレオナルド・ディカプリオと、「全て彼のおかげ」とミュラー監督が絶賛する、プロデューサーのアルフォンソ・キュアロンだったという。「アルフォンンがいてくれたことは非常にラッキーだった。彼のことは監督としてとても尊敬しているし、あらゆる面でこの映画を指南してくれた。ロンドンで試写を開いてくれたり、映画祭に出席するなど世界各国のプロモーションも支えてくれた」。ディカプリオもまたアルフォンソの出資が決定していなかった時点で協力を約束してくれたという。「レオには試写の時に初めて対面したが、ショーンの演技を賞賛していたよ」。

主人公のサム・ビックを演じるショーン・ペンについてミュラー監督は「彼以外はもうありえなかった」という。「どんな脚本を書く時でも、あとで失望しないように、一流俳優を想定して書かないようにしている。でもキャストを考えた時、ショーン・ペンは僕の“ドリーム・リスト”の中ではもちろんトップ候補だったよ。そして縁があってショーンに会ってからは、ほかの誰にも演じてほしくなかったんだ。ショーンの最初の反応は留守番電話で聞いたんだけど本当に感動した」。

サムが取る行動はあまりにも極端だが、彼の孤独や絶望は誰もが共感できるところがある。ミュラー監督の衝撃デビューを飾った『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』、ぜひ注目したい1本だ。
《text:cinemacafe.net》
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