「『Who am I?』『What am I?』は普遍的な疑問。“アイデンティティ”というテーマには子どもの頃から興味を持っていた」というラッセル監督。「宗教学者のロバート・サーマン(娘は女優のユマ・サーマン)のもとで学んだり、ZEN道場で訓練を受けたことにも影響され、何度かこのテーマで脚本を書こうとした。そしてある夜、セクシーな女性にスパイされている夢を見たんだ。彼女になんで僕の後をつけているのかを質問すると、僕に雇われていると言うんだ。この女性が、映画のイザベル・ユペール演じるキャラクターになった。彼女は言わば“ダーク・サイド”。『スター・ウォーズ』のように、同じ学校の出身でも探偵夫妻(ダスティン・ホフマン&リリー・トムリン)は“ライト・サイド”というわけだ。全て仏教の教えがベースになっているんだ」。