映画で知る、母の愛 vol.2 魂をこめて絶叫せよ!

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私は、案外ホラー好き。「リング」「らせん」は、原作が出たときからはまったし、世界の有名作家が書いた短編怪奇小説を収録した「怪奇小説傑作集1〜4」(創元推理文庫)なんぞ、愛読書だったりするのです。そんなわけで、ここ最近のホラー・ブームが、少しでも長く続いて欲しい、ブームで終わって欲しくないな…と考えています。

『THE JUON/呪怨』『ザ・リング』も成功を収め、いよいよハリウッドのジャパニーズ・ホラー・ブーム第2波が日本にもやってきます。そう『ザ・リング2』の到着です。ここ最近は、6月18日の公開を前に、TVでもCMを頻繁に目にするように。その中で、ナオミ・ワッツを観るにつけ、「すっかり絶叫クイーンのお株は、ナオミに奪われてしまった」と感じる今日この頃。日本で作られたオリジナル版のシリーズでは、松嶋菜々子が同じように絶叫していたはずなのに、彼女に“絶叫クイーン”の影などみじんもありません。

どうして、ナオミにはクイーンの貫禄があるのか。『リング』シリーズに限って言えば、作品の中で見え隠れする“子を想う母の執念”のようなものが、関係しているのかもしれません。子供を必死に守る母にとって、悪霊の存在は脅威。それに襲われたとき、自らが襲われる以上の恐怖を感じているはずなのです。だからこそ、その母性を見事に表現できるナオミの絶叫は、極上のものとなる…。

絶叫にもいろいろあります。お化け屋敷で「キャー、キャー」言うのと、身の危険を感じて「ギャー、ギャー」言うのとは、質が違う。ホラーの中で、おばけ屋敷的絶叫を聞いたって、しらけるだけ。つまり、ただ叫べばいいのではなく、その時々の恐怖の種類をきちんと絶叫に盛り込まなければならないということなのです。ヒロインの“叫び”は、作品の質を左右するものであることを、演じる本人たちにも自覚して欲しい。例え、すごい形相になっていようと。

そりゃあ、ナオミはたいした女優です。絶叫すらもアカデミー級。だけど、私はホラーの本場としての日本の意地も持ち続けたい。だから、あえて言いましょう。「ジャパニーズ・ホラーのヒロインたちよ、もっと魂を込めて絶叫せよ!」

《text:June Makiguchi》
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