『リンダ リンダ リンダ』ペ・ドゥナ インタビュー

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一度聞いたら絶対に忘れられないタイトルだ。誰もが知るブルーハ−ツの名曲を大胆にも引用した本作こそ、この夏の日本映画の台風の目となっている『リンダ リンダ リンダ』である。公開前日に主演のペ・ドゥナが急遽韓国から来日し、過密スケジュールの中をインタビューに応じてくれた。

大きな目をきらきらさせながら、ブルーハ−ツを最初に聴いたときの感想を「パワフルで、ショッキングで、驚いた!」と言うペ・ドゥナ。本作のキーパーソンでもある彼女は『ほえる犬は噛まない』『子猫をお願い』で大胆さと繊細さの絶妙なバランスを体現し、圧倒的な存在感を見せつけている。現実を突き詰めるとファンタジーになるという、独自の映像世界を築きあげてきた監督の山下敦弘がその魅力に注目し、主役をオファーしたことからこの映画は始まった。

ペ・ドゥナは今回「韓国からの留学生」という役柄の設定と同様に、初めての日本映画の現場にたった1人で挑んだ。オファーを受けた決め手となったのは山下敦弘監督だ。友人でもあるポン・ジュノ監督(『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』)にすすめられて、山下監督の『リアリズムの宿』を観た彼女はその世界観に惚れ込んだという。「山下監督の演出法が日本映画界のスタンダードなのかわからないので日韓の違いは言えませんが、頭の中(で考えていること)を詳しく説明したり(役者を)説得したりはせず、雰囲気を伝えたり「こういうふうにしたらいいかなー」というふうに言うだけ。ただ、私は日本語があまりできないので、監督と意思の疎通が足りなかったのではないかと、撮影直後は少し不安でした。でも出来上がった作品は本当に誇らしく思っています」。

香椎由宇、前田亜季、関根詩織が演じるバンドのメンバーが揃ったラストのLIVEシーンは今どき珍しいベタなクライマックスであるが、「リハーサルを何度も重ねたので、アドリブはほとんどなかった」という。それが本番だとしたら、誰もいない夜のステージでペ・ドゥナがひとりMCをしながら熱唱するシーンこそ、実現することのなかったもうひとつの現実だ。そのふたつの間にこの映画の本質がある。「歌はいまだに自信がないです(笑)。できあがった映像を観たら音程を外していてびっくり!」。

劇中で結成された彼女たちの即席バンドは撮影後に映画を飛び出して、“パーランマウム”(ハングル語で“青い心”を意味する)としてCDまで出してしまった。「CDを出したことはとてもいい思い出になりました。なぜならこの映画にかけた私たちの努力を、結晶として形に残すことができたからです。そのために撮影後も練習に励みましたけど」。

この映画は今までの山下敦弘映画とは少し違う。ブルーハ−ツ、女子高生といったこれまでにないポップな要素には山下監督自身も長く違和感を拭えなかったと明かしている。実際、作品を観て戸惑うファンもいるだろう。しかし、一見相容れそうにない要素が歩み寄ったとき、思わぬ化学変化が起きて誰にも予想できない青春映画ができあがった。最初に違和感を感じた人にこそ、何度も劇場に足を運んでみて欲しい。そこにこの映画が作られた意味がある。もちろん、女子高生たちのキュートな制服姿も期待を裏切らないのだから。
《text:cinemacafe.net》
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