『ボム・ザ・システム』マーク・ウェバー来日インタビュー

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『ワイルド・スタイル』に代表されるヒップホップ映画の系譜に新たな1作が加わった。弱冠23歳のアダム・バラ・ラフ監督が作った『ボム・ザ・システム』は、ニューヨークで注目を集めるグラフィティ・ライターの物語だ。“グラフィティ”とは、街中にスプレーでデザインや主張をペインティングする落書きアートのこと。本作で、主演とプロデューサーをつとめたマーク・ウェバー(24歳!)が初来日した。

自身もグラフィティ・アーティストであるマークだけに、演じた“ブレスト”役にもストリートの若者としてのリアリティがある。「僕は15歳からフィラデルフィアでグラフィティ・アーティストとして活動を始め、16歳のときにはそれが原因で高校を辞めさせられた。今回のキャラクターは初めて自分を投影できたものなんだ。だからあらゆる面で自分の経験を持ち込むことができたと思う」。

これまでトッド・ソロンズ、ウディ・アレンといった個性的な監督の作品に出演してきたマーク。『ボム・ザ・システム』にはその経験がいかされているという。「彼らとの仕事はとてもいい経験だった。彼ら自身もとてもいい人だし、セットや現場での動き方などたくさんのことを学んだ。それに彼ら自身もとてもいい人たちなんだ!」。

本作で興味深く描かれているのは、グラフィティ・アーティストと“ヴァンダル・スクワッド”と呼ばれるニューヨーク市警の落書き取り締まり班との対決だ。彼らはときに滑稽に見えるほどグラフィティ・カルチャーを憎んでいる。だがそれは80年代のマンハッタンで実際にあったことなのだという。「グラフィティ・アーティストとヴァンダル・スクワットとの関係は、いわゆる「トム&ジェリー」みたいなものなんだ。大げさに見えるかもしれないけど実際はもっとひどかった。僕自身も16歳のときフィラデルフィアで警察に“自分をスプレーしろ!”と言われた経験がある。彼らの多くはかつて自分もグラフィティ・アーティストだったんだ」。

映画を観ていくと、グラフィティにはアートと犯罪というふたつの側面があることがわかる。両者が和解・共存していく方法はあるのだろうか。「アートかヴァンダリズム(破壊行為)かという疑問は常にあると思いますが、個人的には芸術表現の一部だと思う。つまらない壁があればそれを美しくすることができるのはとてもいいと思う。もちろん教会や宗教的な施設、他人の家は避けるなど守るべきルールはあるけど、それ以外で他人がやらない場所でやるとリスペクトされるんだ!」。

映画に出てくるグラフィティ・アーティストたちは皆ブルックリン橋にペインティングすることを目標にしている。「グラフィティ・アーティストにとってブルックリン橋は究極のゴールなのかもしれない。彼らにとって一番大事なのは最高のスポットを見つけることで、そこが危険であればあるほど皆にリスぺクトされるんだ」。劇中には実際にマークがブルックリン橋でペインティングをするシーンがあるが、その心境をたずねると「クレイジー!」という答えが返ってきた。

今回はプロデューサーも兼ねたマークだが、次のステップとしては監督もやりたいと言う。「実は脚本も書き終わるところで、できれば来年にはやりたい」。そして注目している俳優としては、「ライアン・ゴズリング、ジェイク・ギレンホール、マイケル・ピット、ニック・ストール、レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア…」などの名前を挙げてくれた。

『バトル・ロワイアル』『殺し屋1』などの日本映画が好きで、日本の監督やキャストと日本で映画を作ってみたいと語るマークは、ホームレスの撲滅やヘルスケアなど社会運動にも積極的に関わっている「僕の俳優としての有名税を使ってそこに光を当てて問題を解決してければ嬉しい」。そんな彼に与えた母親の影響はとても大きいようだ。「(母は)最高の女性です。世界でも一番の女性だと思うし、親友でもある。母と2年間ストリートで生活していましたが、いま映画業界でやっていけているのはあのときの経験があったからだと思う」。

いつかマークが彼自身の母親をテーマに監督した映画を観ることができるかもしれない。その前にまずは『ボム・ザ・システム』で若い才能を感じて欲しい。
《text:cinemacafe.net》
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