『イン・ザ・プール』DVD発売記念松尾スズキインタビュー

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松尾スズキといえば、宮藤官九郎や阿部サダヲなどを輩出した劇団「大人計画」の主宰者。近年では演劇界のみならず文学やミュージカルなど様々な分野でその才能を発揮し、昨年は『恋の門』で映画監督デビューも果たした。演出家、劇作家、エッセイストなどいくつもの肩書きを持つ彼が俳優・松尾スズキとして“主演”した『イン・ザ・プール』のDVD発売に際し、その正体を探ってみた。

俳優としても映画、ドラマに数々の出演作を持つ松尾さんだが、意外にも主演を務めるのは初めて。「(主演でも脇役でも)特に違いはないですよ。特に今回の僕の役は、主演といっても狂言回し的な立場で、本当の主役はオダギリ(ジョー)君や田辺誠一君ですから。まあ、(クレジットで)“オダギリジョー”より先に名前が載るのは単純に嬉しかったですけど」。

自作の舞台や初監督作『恋の門』では演出と出演の両方を兼ねているが、「(自分の演技は)冷めた目で見ていますね」とのこと。『イン・ザ・プール』の監督はバラエティ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」や「トリビアの泉」などの人気構成作家であり、シティボーイズのライブ演出も手掛ける三木聡。もともと演劇とも深い繋がりがあるだけに、現場はやりやすかったそうだ。

『イン・ザ・プール』には水泳にはまるサラリーマン(田辺誠一)が出てくるが、松尾さんの場合はまさに仕事がそうであると言えるほどの活躍ぶりである。自分の出演作は見直さないという松尾さんだが、プライベートで依存しているのは「DVD鑑賞」だという。ちなみに登場人物の中で一番共感したのは「強いて言えばオダギリジョー君の役かな。感情が後からやってくるのでその場では怒れないというところが似てますね」。

役を演じる上でリアリティを重視するという松尾さんは、伊良部というキャラクターを“中性的な、妖精のような存在”と分析する。およそリアリティとはほど遠いそのキャラクターにリアリティを与えているのは、まさに松尾さん自身がもつ非現実的な要素であるとも言える。「(伊良部を演じる上では)生身の人間とは違うことを意識しました」。松尾さん曰く「小ネタがいっぱい仕掛けてある作品なので、劇場では気づかなかった三木監督のこだわりを観て欲しい」という本作のDVDで、その浮遊感あふれる演技に触れてほしい。
《text:cinemacafe.net》
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