『真夜中のピアニスト』ロマン・デュリス来日インタビュー

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『真夜中のピアニスト』ロマン・デュリス
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1978年に製作されたハーヴェィ・カイテル主演のフィルム・ノワール『マッド・フィンガーズ』。アメリカだった舞台を現代のパリに移し、巨匠、ジャック・オーディアール監督によってリメイクされた作品が『真夜中のピアニスト』だ。本作の公開を今週末に控え、主演のロマン・デュリスにインタビューを行った。

インタビューは朝10時スタートと早い時間だったため、到着した彼は眠そうに目をこすりながら「オハヨウゴザイマス! こんなにたくさんいるね、みなさん早起きだ」と日本語を交えた挨拶で颯爽と登場。そしてインタビューが始まる前に帽子をとった姿にはビックリ! なんとスキンヘッドなのである。「次回作の準備なんだ。普段でも時々髪型を変えてイメージチェンジするよ」と気さくに答えてくれた。

ロマン・デュリス演じる主人公のトムは、父親の跡を継ぎ不動産の裏ブローカーを生業とする男。薄汚れた残酷な世界に生きながら、彼は亡くなった母親のような“ピアニストになりたい”という夢を胸の奥に抱いていた。そしてある日昔の恩師に出会い、再びピアニストへの道を目指すことになる…。

ピアノには初挑戦だったデュリスは初歩的な勉強から始めたという。「ピアノは姉に特訓をしてもらいました。楽譜を読む、音符を見るという、全く初心者的知識から学びました。ただ映画を撮るということを重視して、曲の中でも、練習すれば弾けるようになる簡単な部分と、演奏的に見栄えがいい部分を集中的に練習しました。映像に合わせて弾くのがとても大変でしたが、とても満足感が得られました。ピアノをひとつの役のように捉えています。トムはピアノを始める前と後では、全く感覚が違っています。男尊女卑でビジネス主義で、情熱もなく誇りもなく…という世界にいたのが、ピアノを始めることによって世界が変わるんです。ピアノを始めることで二面的な性格を持つようになり、そしてエネルギッシュになっていきます」。

『マッド・フィンガーズ』のリメイクということで、原作を意識した部分もかなりあったそうだ。「ハーヴェイ・カイテルが演じている肉体的な部分も大切にしました。80年代のN.Y.は俳優が神経質なまでにエネルギッシュ。神経質でストレスを感じているような部分が表現できるように努力しました。そしてノイローゼになるくらい目標に向かって立ち進む、スピーディなエネルギッシュ感を出したいと思いました。最後のオーディションのシーンは感動的で重要な場面です。一番好きな場面でもあります。ハーヴェイ・カイテルの人を震え上がらせるような演技が好きで、コピーという意味でなく、本当の気持ちを込めるように努力しました」。

俳優としてオーディションを受けることも多い彼だが、本当はかなり苦手な様子。「オーディションは大嫌いです(笑)。フランスだと大学入試があるのですが、ああいう気持ちになるのは本当に嫌。昔、兵役の審査があったのですが、いかに兵役に向いていないか(優秀でないように見せる)という挑戦もしました。“こいつは向いてないぞ”って。これは成功しました(笑)。実際のオーディションでは、トムのように追い込まれるような精神状態になったり大失敗ということはありませんでした」。

画家を目指して芸術大学に在学していたときにスカウトされたことがきっかけとなり、俳優になったデュリス。当然ながら、アーティスティックな趣味人でもある。「街の中の壁やお店に描かれている絵も、ひとつの作品として鑑賞します。好きなアーティストはたくさんいますが、フランシス・ベーコン、バスキヤ、ピカソ、レンブラント。ゴッホも好きです」。ただのイケメン俳優ではなく、アーティスト的な感覚を兼ね備えたロマン・デュリスから目が離せない!
《text:cinemacafe.net》
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