芸術の秋。映像のアートに浸る vol.4 『コープス・ブライド』のアートなドレス

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JUNE BRIDE(6月の花嫁)は幸せになると言われていますが、実は秋も結婚式には人気の季節のようですね。お天気が安定しているせいでしょうか。秋晴れはすがすがしくて気持ちがよく、五月晴れに勝るとも劣らず。澄み切った空のもとで人生の門出が祝えたら、幸先がいいというものです。

さて、結婚式にまつわる映画といえば、この秋オススメの作品が現在公開中の『ティム・バートンのコープスブライド』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のスタッフが贈るストップモーション・アニメ作品です。“corpse”とは、死体のこと。つまり、この作品に登場する花嫁は生きてはいません。おめでたいのか、不気味なのか、楽しいのか、悲しいのか、恐ろしいのか、心温まるのか。その狭間を描く手腕に長けたティム・バートンだからこそ実現可能なファンタジックな世界が広がっているのです。

『ナイトメア〜』をご覧になった方ならすでにご存知だとは思いますが、製作者たちがこだわって、時間をかけて作り上げたアニメーション(12時間の作業で、撮影できるのはたった1秒か2秒分のシーンのみ!)は、高いアート性を誇っています。なかでも、今回注目なのが、主役たちが着ている衣装。特にコープス・ブライドが着ているウエディングドレスは、すそが揺れる様子や衣擦れの様子などが見事に再現されていて、思わず視線がくぎづけに。ヴェールだって、ボロボロなだけにひらりひらりと風になびく様が、それはそれは滑らかです。

ただ、いくらその様子が素敵だからって、あのドレスで結婚式を挙げたいという人はいないでしょうが、ラストにはドレスにまつわるかなりドラマティックな演出が。その情景があまりにも感動的で美しかったので、ホロリと涙がこぼれたほど。一見、変わり者といった印象のバートン監督ですが(って、本当に変わり者なのでしょうが)、やはりああいった演出を見ると「天才ロマンティシスト!」と惜しみない拍手を送りたくなるのです。あの圧倒的なアート体験は、邪魔の入らない空間=劇場で、ぜひ味わっていただきたいな…。


《text:June Makiguchi》
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