女優が輝く秋映画 vol.2 『イン・ハー・シューズ』トニ&キャメロン

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おしゃれには欠かせないファッションアイテム、“靴”。映画『イン・ハー・シューズ』では、タイトルからもおわかりのように、靴が大きな役割を果たしています。しっくり来る人生の象徴として、“自分にぴったり合った靴”の存在が鍵となっている本作は、「自分らしく生きましょう」という、とても素敵なメッセージが込められた作品。主人公は、キャメロン・ディアスとトニ・コレット演じる、対照的な2人の姉妹。2人の心理状態やその変化は、靴だけでなく、洋服、そして体型にも、絶妙なカタチで反映されていくのです。

キャメロン演じるマギーは、難読症というハンデを抱えているため、グラマラスな美貌とスタイルを武器に、人生を渡り歩くちょっと無鉄砲な妹。自分の武器がものを言うのもあとわずかだと承知していて、なんとか人生に意義を見つけ出そうとしています。一方、トニが演じるローズは、頭脳明晰な弁護士で、ちょっと太めな体型にコンプレックスを抱く姉。ダメなヤツながら、ゴージャスな妹に羨ましさも感じています。そんな彼女が体型を気にせず買えるのは靴だけ。まるでコンプレックスを封じ込めるかのように、履きもしない高級ブランド靴を大量に買い込んでは、クローゼットに値札をつけたまま、しまい込んでいるのです。

唯一共通するのは、足のサイズ。そんな姉妹が、大喧嘩をきっかけに離ればなれになったとき、はじめて感じる内的な変化。それは、衣装からも見て取れます。心を解き放っていく過程で、マギーは華美なドレス&ピンヒールを脱ぎ捨て、カジュアルなカット・ソー&スニーカーへ、姉のローズも、かっちりとしたスーツ&パンプスを、女性らしい柔らかな服&ローヒールへと着替えます。自分にないものを相手に見出し、愛しているのに素直になれずにいた姉妹は、やがて自らの中に存在していた本当の幸せを見出していくように。すると、相手を思いやる余裕も芽生えていくのです。

タイトルとなっている“in her shoes”とは、「彼女の立場になって」という意味の慣用句。それを知ったうえで映画を観ると、“靴”が持つ大きな役割を感じることができるでしょう。監督を務めたカーティス・ハンソン(『L.A.コンフィデンシャル』『8 Mile』)の演出力に、思わず唸ってしまうかも。姉妹の内面的な変化を体現する2人の女優も、彼によってこれまで以上に磨かれています。ファッションが鍵となる作品ではありますが、キャメロン&トニの輝きにもご注目あれ!


《text:June Makiguchi》
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