女優が輝く秋映画 vol.3 ジェニファーの鈍く輝く暗さが強み 『ダーク・ウォーター』

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先週末、11月12日に公開となった『ダーク・ウォーター』。ご存知、鈴木光司原作のジャパニーズ・ホラー・ムービー、『仄暗い水の底から』のリメイク。とはいえ、「リメイクか…」とがっかりするのは時期尚早。ちょっと前までは、リメイク=ネタがないから手抜き、という図式が見え隠れしていたけれど、今はリメイク=独創性の見せ所、となっているわけで。事実、リメイク作品に関わるスタッフ&キャストの顔ぶれが凄い。

何といっても『ダーク・ウォーター』は、監督が『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス。製作陣も、「ちょっ とリメイクでも撮ってみて」などという気軽な依頼の仕方ではなかったはず。しかも、主演はオスカー女優、ジェニファー・コネリー。もともと、“スコーンと抜けたような明るさを持つアメリカン・ガール”ではない彼女は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』をはじめ、『ダークシティ』『レクイエム・フォー・ドリーム』『ビューティフル・マインド』『砂と霧の家』…と、暗めの作品で、暗めの役を演じてきた人。これだけ、笑顔を武器にしていない女優も珍しいけど、今回はなんと言っても、その年季あるキャリアと、鈍く輝く暗さが生きています。いつも物思いにふけり、いつも心配そうにうつむく。そんな彼女からにじみ出る強さが、『ダーク・ウォーター』の強みなのかもしれません。

こんな風に、世界的名声を誇るスタッフ&キャストを巻き込んだハリウッドでの製作により、スケールも話題性も格段に膨れ上がってしまうリメイク作品。その“本気度”からは、オリジナルとは全く違った魅力を引き出し、「日本を見返してやるぞー」的な意気込みを感じてしまうほど。これは、オリジナルに触発された才能ある面々から、「ワレワレは、もっと魅力的に作ってみせる!」という挑戦状に他ならないのでは?

となると、「やったー、リメイク決定!」などと、ジャパニーズ・ホラーの製作者たちが浮かれてばかりはいられない時代になったということなのかもしれませんね。



《text:June Makiguchi》
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