女優が輝く秋映画 vol.4 “ニュースな女”イ・ヨンエ

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映画界には、出演作が何かと話題になる女優がいます。つまりは、“ニュースな女”。本業から離れたところで、常にゴシップを賑わわせる女優はさておいて、ここで取り上げたいのは、恐れずに既存のイメージを打ち破り、アグレッシブな挑戦を行う“ニュースな女優”。まっさきに、ニコール・キッドマンやシャーリーズ・セロンが思い浮かびますが、最近気になる存在がイ・ヨンエです。

『JSA』で見せた凛々しい軍人姿、『ラスト・プレゼント』で見せた献身的な良妻…。数々の話題作を通じ、清純なイメージを確立し、典型的かつ理想的な韓国美人像を築いてきた彼女。ところが、ついこの間まで、いじめにも屈しない健気な宮廷料理人チャングム(『宮廷女官 チャングムの誓い』)を大好評のうちに演じていたかと思えば、あっさりと方向転換してみせたのです。

新作『親切なクムジャさん』は、『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』を手がけたパク・チャヌクが描く、復讐三部作の完結編。スタイリッシュな映像と、人間の本質に迫るグロテスクな演出が話題のこの作品で、彼女が演じるのは“親切なクムジャさん”。親切だけど、復讐する人。この謎めいた役柄について、実際に映画を見て解き明かしていただくとして、その鍵となっているイ・ヨンエの華麗なる変身にも、ぜひご注目いただきたい!

クムジャさんの豹変ぶりを確実にドラマティックにするためには、彼女のような清純派女優の挑戦が欠かせなかったのでしょうが、監督は「あまりに彼女が理想的な女性なので、醜い部分を引き出してみたかった」のだとか。確かに、あまりに整った綺麗なお顔がイジワルそうに無表情になるとき、美しさと醜さは紙一重なのだなと、ある意味でうっとりしたりして。

それにしても、美しい女の醜い部分が見たいと言い放つなんて、パク監督は、かなりのサディストなのかも。


《text:June Makiguchi》
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