『イノセントボイス-12歳の戦場-』ルイス・マンドーキ監督、オスカー・トレス来日インタビュー

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1980年代、中南米エルサルバドルは激しい内戦に包まれていた。少年時代をこの内戦下で過ごし、14歳の時にアメリカに亡命した新人俳優、オスカー・トレスはこの体験をひとつの脚本としてまとめ、ハリウッドで活躍する、同じく中南米出身の監督、ルイス・マンドーキに自ら売り込んだ。こうして『イノセント・ボイス 12歳の戦場』が誕生した。公開を控えて来日をしたルイス・マンドーキ監督、そしてオースカー・トレスに映画について伺った。

もちろんオスカーは独り14歳で亡命したとき、映画の道で生きることは全く決めていなかった。「その時代2本しか映画を見た事がなっかったのです。気持ちとしては早く、ママの所に帰りたかった」。そんな彼はやがてCMやテレビに出演するようになり、同じ時期に本作の脚本を書き始めた。ルイス・マンドーキとは02年、CMの撮影中に出会い、オスカーの運命を変えることとなった。

舞台となっているエル・サルバドルの人々は映画を観て、何よりも感謝の気持ちを表してくれたという。「私たちの物語もきちんと伝えてくれた事、見ていてくれた事に対する感謝の気持ち。戦争が終わってからは誰もそのことを口にしなくなっていました。私も18年間、戦争について沈黙を守っていたのと同じようにです。政府もタブー視していたようなところがありました。人間にとって、こんなに不健康な事ってないと思います」。「色々考えさせられましたが、本当に一人一人の力強い反応がありました」。

内戦自体は92年に終結したが、今も尚その後遺症は強く残っている、とオスカーは語る。「戦争で闘った子供もいれば、ただそのまま育ってきたものいるが、やはり、心の中に暴力的なものを抱えたままになってしまっている。平和条約が結ばれたからと言って、終わりだ!という事ではないんですね。政府の怠慢だと思いますが、彼らは戦争を終わらしてやったんだから、ありがたく思え、後は好きにしろ、といった姿勢だと思うんです。でも戦争の本当の結果は、20年後にしか見られないと思います。ですから、イラクの戦争が終わったときに、イラクとアメリカだけではなく、世界にとって何を20年後にもたらすんだろうかということも疑問です」。

本作は私たちに何を語りかけるのか。日本から遠い遠い中南米で起きた悲劇を歴史の一部として認識するだけではなく、その状況からも希望を見つけることができる、というメッセージを感じとってほしい。「オスカーが恐怖の時代の中で生き残り、脱出し、俳優になる道を見つけたということ…私にとっても、世界にとっても自分の人生は自分が選んだ、自分の好きなように進めるんだ、と言うことを証明してくれていると思います」。
《text:cinemacafe.net》
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