『ヒストリー・オブ・バイオレンス』レビュー

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『LOTR』三部作での英雄的イメージが色濃く残るヴィゴ・モンテーセンだが、本作で彼は苦悩と悲哀に満ちた過去を秘める主人公を、怪演とも言うべき表情、存在感で演じきっている。家庭的な父親として片田舎のダイナーを切り盛りする姿は、一見幸せの理想像に見えるが、その横顔に一寸の闇を感じさせるのは、鬼才と呼ばれる監督の演出を超え彼の演技がシーンに溶け込んだ結果だろう。作品のテーマはとても深い。観賞を終えると僕は少し悩んだ。暴力がえぐり出す本当の痛みとは? 銃弾、返り血、強盗、殺人…ひどく明らかに描かれた風景に惑わされてはいけない。たとえば、許し難い罪を隠し続けるということ。あなたのなかに在る歴史が、この映画に暴力を感じさせるだろう。

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