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『ポセイドン』エミー・ロッサム&ウォルフガング・ペーターゼン監督来日インタビュー

1972年に公開され、パニック映画の火付け役となった『ポセイドン・アドベンチaャー』。34年の歳月を経てこの名作のリメイクに挑んだのは、『エアフォース・ワン』(1997)、『トロイ』(2004)など、数多くのハリウッド大作を手掛けてきた巨匠ウォルフガング・ペーターゼン。高さ50メートルの波に呑み込まれ逆さまになった豪華客船の運命、極限の中で繰り広げられる人間ドラマ、21世紀の『ポセイドン』とはいったいどんな映画なのか? 来日した監督と出演のエミー・ロッサムにその面白さを直撃インタビューした。

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1972年に公開され、パニック映画の火付け役となった『ポセイドン・アドベンチaャー』。34年の歳月を経てこの名作のリメイクに挑んだのは、『エアフォース・ワン』(1997)、『トロイ』(2004)など、数多くのハリウッド大作を手掛けてきた巨匠ウォルフガング・ペーターゼン。高さ50メートルの波に呑み込まれ逆さまになった豪華客船の運命、極限の中で繰り広げられる人間ドラマ、21世紀の『ポセイドン』とはいったいどんな映画なのか? 来日した監督と出演のエミー・ロッサムにその面白さを直撃インタビューした。

エミー・ロッサム

父親に婚約の報告をためらい揺れ動くジェニファーを演じたエミー・ロッサム。人生の岐路に立つ女性という演技に加え、体当たりのアクションにも挑戦した。

「肉体的には今までで一番ハードな撮影だったわ。スキューバダイビングもフリーダイビング(スキンダイビング)もしたことがなかったのよ。肉体的なアクションと精神的な演技をどう両立させるか悩んだけれど、幸いにも(撮影で)置かれた状況がとても現実的だったから助かったわ(笑)。実際に30フィート(約9メートル)潜って息を1分半止めたりしたのも大変だったけど、一番恐かったのは大きな吹き抜けをロープで渡るシーンね。あのシーンはあまりにも恐くて『本当にやるの!?』って言ってしまった(苦笑)。でも、私の演じたジェニファーは恐怖心を抱かない女性。下を見ないようにしてチャレンジしたの」

オリジナルから格段のスケールアップを遂げて作られた豪華客船ポセイドン号。映画を観ればその迫力に圧倒されることだろう。前代未聞と言っても過言ではないその驚愕のセットについて感想を訊いてみた。

「一番驚いたのは、すべてのセットが2つ作られていたということ。“通常”と“逆さま”の2つの世界ね。船が転覆した後のシーンを撮影する時、通常のセットから逆さまのセットへ移ったんだけれど、本当に驚いたわ。だって床に照明があるのよ! さらに驚いたのはその照明の熱さ。照明の熱で靴の底が溶けてしまったの。すごい経験だったわ(笑)!」

生死をかけた極限の中で父への愛、恋人への愛を再確認するジェニファーの魅力をエミー・ロッサムは次のように語ってくれた。

「ジェニファーはとても現実的なキャラクターだと思うの。ハリウッド映画に出てくる女の子は危機が迫ったときに『キャー、キャー!』と騒いで誰かに助けを求める、どちらかと言うと被害者的な立場が多いでしょう。でもジェニファーはとても芯が強くて勇敢。そこに一番魅力を感じたわ。だって、彼女は自分の命を懸けてフィアンセを助けるのよ! 普通なら男が女を助けるのに全く逆なんだもの(笑)。そんなジェニファーが大好きよ」

最後に、次作で泳ぎのある映画の出演がきたらどうするかと訊ねると、
「数年間はお断りするわ(苦笑)!」



ウォルフガング・ペーターゼン監督

『U・ボート』(1981)、『パーフェクト・ストーム』(2000)と、過去にも海を舞台にしたパニック映画を手掛けているウォルフガング・ペーターゼン監督。そもそも『ポセイドン』をリメイクしようと思ったきっかけは何だったのだろうか。

「最初から船や海洋モノの映画にしようと思ったわけではないんだ。21世紀は世界中で災難が続いているだろう。だから昔の『ポセイドン・アドベンチャー』がいい比喩になると思ったんだよ。何千人もの人が豪華客船ポセイドンで楽しい時間を過ごしている。そこに何の前ぶれもなく悲劇が襲いかかって世界がひっくり返ってしまう。そんな逆さまの世界を描きたいと思った。そして、『あっ、また海と船の話だ!』って気が付いて(笑)、最初は戸惑ったけれど海洋モノの三部作にすれば格好いいじゃないかって(笑)。『U・ボート』は戦う男たち、『パーフェクト・ストーム』は漁師、どちらも"プロ"の男たちの話だけれど、今回の『ポセイドン』の主人公はごく普通の人間たち。その設定は新しいだろう?」

また、34年前と大きく違うのは技術の進歩。CGだからこそ実現した映像、また豪華客船の逆さまの世界を描くうえで一番苦労したことを訊ねてみた。

「逆さまの世界はとても複雑だよ。船の外観はすべてCGだけれど船の内部は巨大なセットを作った。冒頭2分半で描かれている船の全貌はすべてCGなんだ(この映像に1年を費やしたそう)。映画史の中で最も複雑で最も大胆なカットだと思うね。写真みたいにすべてにリアリティがあって偽物だと言うところがないぐらい完全に作られている。でも、デッキを走っているジョシュ・ルーカスは本物だよ(笑)」

パニック映画でありながらも、親子の愛、恋人への愛など、琴線に触れる人間模様が描かれているのは名ストーリーテラーのなせる業。今回も極限に置かれた人間の心理と本質を鋭く捉えている。

「パニックだけを描いても作品としては成り立たないからね。災害そのものはドラマの背景。一番大切なのは災害によって人はどうするのか、人間を研究することなんだ。この映画は生々しく挑発的でユニークだよ。普通は登場人物について詳しく説明するけれど『ポセイドン』にはそれがない、スケッチ的に提示をするだけなんだ。偶然同じ船に乗り合わせた赤の他人同士が人生最大の危機に直面したとき、どういう人間性が現れるのか? どう危機に対応するのか? 人間の本性が暴露されていく様を描きたかったんだ」




『ポセイドン』
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場情報:6月3日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて公開
(C)2006 Warner Bros. Entertainment Inc.
《text:Rie Shintani》
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