『美しい人』ロドリゴ・ガルシア監督 来日インタビュー

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デビュー作である『彼女をみればわかること』('99)で、5人の女性が日常で直面する痛みや孤独を描き注目を浴びたロドリゴ・ガルシア監督。最新作である『美しい人』では、9人のアメリカを代表する女優による9つの物語を作り上げた。なぜ女性ばかりを主人公に据えるのか、なぜ短編にこだわるのか、来日した監督にその心中をインタビューした。

単なる短編を9つ集めたというよりは日常のある瞬間を丁寧に切り取ったという印象を受ける『美しい人』。9つの物語を1本の作品にするという構想について訊ねた。



「そもそものアイデアは人生の瞬間というか──非常に短い1分ほどのストーリーを70、80集める予定だった。今もその構想を練っている途中なんだよ。「美しい人」はその前の試作というか、もう少し長めの作品を集めてみようと思ってできた作品。僕は何かを思い付くとすぐにメモを取っていて、それを"アイデアのリスト"と呼んでいるんだけど、そこから9つの物語を膨らませていった。10分間という短い時間ではあるけれど、そこに主人公の一生を感じるような物語を作りたいと思ったんだ」。

ということは、監督自身の人生も大きく反映されているのだろうか。

「自分の体験だけが反映されているわけではないけれど、自分の感じたものは反映されているよ。1話目の刑務所に服役しているサンドラに関しては、最大の敵は自分自身だということを描いていて、それは僕もよく思うことなんだ。第2話のダイアナのように、過去の恋人と偶然に再会してしまうということもよく聞く話。また、第5話のサマンサは、いい娘であろうとするがゆえに自分が作った檻の中に入ってしまっている。9つの物語の中で唯一自身に起きた出来事と言えば、第8話の乳ガンの手術を控えたカミールの話かな。妻の出産、自分の膝の手術の体験があるからね(笑)。女性を主人公にする理由? それは、僕がエモーショナルなストーリーが好きだということにある。女性のキャラクターの方がそれを伝えやすいんだ。もちろん、男性として女性が大好きなのも理由のひとつだよ(笑)」



監督が感情を表現する舞台は、スーパー・マーケット、路地、部屋の中など、特別ではない場所。にもかかわらず日常にはこんなにもドラマティックな瞬間が詰まっているのかと驚かされるのは、やはりロドリゴ・マジック! ハリウッド女優から出演オファーが絶えない監督であることも納得である。

「本当はこの映画のようにドラマティックではない日常の方がいいんだろうけどね(苦笑)。9つの作品はそれぞれ独立しているけれど、人間関係に問題を抱えているという共通のテーマを持っている。例えば、ホリー・ハンターとスティーヴン・ディレンの演じた最悪な夫婦、グレン・クローズとダコタ・ファニングの演じた母と娘──彼らが持っているのは答えのない問題、永遠に断ち切ることのできない絆なんだ」。

この9つの物語を観た後に観客はロドリゴ・ガルシア監督の観察力の鋭さに驚くことだろう。現在、構想を練っているという作品も気になるが、「実は今、ある女性の一晩の出来事を軸にした脚本を手掛けているんだ」と嬉しい予告も飛び出した。でも、まずは『美しい人』を劇場で!


『美しい人』
配給:エレファント・ピクチャー+ツイン+博報堂DYパートナーズ
劇場情報:7月1日よりBunkamuraル・シネマにて公開
《text:Rie Shintani》
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