『トランスアメリカ』レビュー

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『トランスアメリカ』メイン
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主人公は性同一性障害のブリー。でも、特別な状況で生きる人や特別な苦労をもった人物の特殊な話にまとめていないところが本作の素敵なところ。ブリーの“障害”(この表現は、まるで彼らを病気扱いしているようで、あまり好きではないのだけれど、便宜上使用)は、家族や周囲に理解されない問題の象徴。人によっては、夢や悩み、嗜好や趣味だったりするのでは。だからこそ、ブリーは自分と重ねて感情移入できてしまう。そう、実はテーマは極めて普遍的。相手を、そして自分をありのまま認め、受け入れることの重要性を解いているのです。決して目新しいテーマではないけれど、それを現代的かつデリケートなモチーフで、説教臭くならないようユーモアで包んでいるのが見事。

見事といえば、今年のアカデミー賞主演女優賞にもノミネートされたフェリシティ・ハフマン。最初の登場場面から、つい愛しさを感じるほどに素晴らしいのです。男性→女性への変貌ぶりを、“まだ、女性らしい仕草に馴れていない人物”のぎこちなさをもってリアルに表現。これで、受賞を逃したとは個人的にも残念でした。彼女の比類なき健闘をたたえる意味でも、応援したい作品です。


『トランスアメリカ』
配給:松竹
劇場情報:7月22日よりシネスイッチ銀座、横浜ニューテアトルほか全国にて順次公開
(C)2005 Transparent Films LLC
《text:June Makiguchi》
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