『太陽』レビュー

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『太陽』
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世界12ヶ国で絶賛をうけながらも、昭和天皇を主人公にしているだけに、日本での公開は不可能と言われた『太陽』。まず驚いたのが、イッセー尾形が昭和天皇にあまりにも似ていること。1980年から一人芝居をはじめ、今でも海外公演を毎年定期的に行えるだけの実力がある俳優だからこそ、かもしだせる佇まいなのでしょうか。とにかく本作は毎年終戦記念日が近づくと、テレビなどで放映している戦争番組とは一線を画する作品です。監督はロシアを代表する映像作家のアレクサンドル・ソクーロフ。そういえば人間性を深くえぐり出すようなこの内容は、まるでロシア文学のよう。現人神として、大事に大事にあまりにも畏れ多く扱われていた人の、幼なさと優しさが胸に響きます。あまりにも大きな役割を生まれながらにして背負っていたひとりの人間、天皇ヒロヒト。もちろん本当の昭和天皇が終戦の時どう思っていたかは分かりませんが、イッセー尾形の名演とあいまって、上質なドキュメンタリーを見ているような気にさせられる作品です。
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