『狩人と犬、最後の旅』ニコラス・ヴァニエ監督来日インタビュー

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『ディープ・ブルー』や『皇帝ペンギン』など、ネイチャー・ドキュメンタリーのヒットが記憶に新しい中、また1本の真実のドラマが登場した。ロッキー山脈の大自然を舞台に、実在する狩人ノーマン・ウィンターと愛犬たちの絆を描いた『狩人と犬、最後の旅』。伝統的な狩猟方法を今でも貫き続ける“最後の狩人”、ノーマンは私たちに何を教えてくれるのか? 冒険家であり、フランスの国民的英雄でもあるニコラス・ヴェニエ監督に本作に込める想いを伺った。

長編デビュー作となる本作、制作のきっかけは、1999年に監督が犬ぞりでアラスカを移動している最中に監督がノーマン・ウィンターと出会ったことにある。「3日間一緒に過ごす機会があり、彼の哲学など語ってくれました。話を聞いていくうちに彼は本物だと思い、昔から『狩人と犬、最後の旅』のような作品を作りたかったので、翌年の冬にノーマンに映画出演のオファーをしました」。

そもそも、最初は単なる楽しみを求めて冒険に出発していた監督が、創作活動に取り組むを意義について、「自然の美しさを表現したい、あるいはその自然の中に住んでいる人々、その豊かさというものを表現したいと思うようになった」と語る。「そして映画を見る人が、自然に対して我々が自然に対していままで享受してきたものを、また自然にもどしてあげなければいけないんだという自覚というものをめばえるきっかけになれば、という風に思っています」。

高度な文明社会からは身を引いて生きるノーマンのライフスタイルは、私たちの生活に対し様々な問いを投げかける。そして私たちは自然といかに共存していくべきか、を考えさせてくれる。これこそが監督が本作にかける、強いメッセージだ。

「この映画に登場する極北の地方は、地球の温暖化など環境問題の影響を直接受ける地域です。そういう地域に対して、遠い国であるからというのではなくて、地球全体の問題として、先進国はもっと責任感をもっていかなければならない。将来地球に生きていく人々が、我々が今まで享受してきたような自然の恩恵を、同じように受けることを望むのはもはや高望みかもしれませんが、そういう自然をもう一度生み出さなくてはならない、という責任を先進国は抱えていると思います」。

もちろんカメラが捉える美しい自然そのものだけにフォーカスしても十分見ごたえがある。特に−55度の中で撮影を敢行し、監督が最も感動した、というオープングシーンは必見だ。「ツンドラという、全く何もない、真っ白な平原にカリブー(大型トナカイ)が突然現れて、それがとても力強い息を吐きながら、広大な平原に生命が大群となって現れる。自然の生命を感じて感動的でした」。

しかしながら、この美しい自然も、我々人間の行動で破壊してしまいかねない。地球の均衡のために、我々が出来ることは何か。ノーマン・ウィンターを通じて、監督の願いを感じてほしい。
《text:cinemacafe.net》
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