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『悪魔とダニエル・ジョンストン』レビュー

ダニエル・ジョンストンと聞いて「誰のこと?」と思った人は多いかもしれない。彼こそが、トム・ウェイツやカート・コバーン、デヴィッド・ボウイ、ジョニー・デップといった世界の名だたるアーティストを魅了する天才シンガーなのだ。

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ダニエル・ジョンストンと聞いて「誰のこと?」と思った人は多いかもしれない。彼こそが、トム・ウェイツやカート・コバーン、デヴィッド・ボウイ、ジョニー・デップといった世界の名だたるアーティストを魅了する天才シンガーなのだ。

そんな“生きる伝説”ダニエル・ジョンストンのジェットコースターのようなブッ飛んだ人生をドキュメンタリーにしている本作。両親や友人の話をおりまぜて話は進むが、特徴的なのはダニエルが過去何十年と録りためたカセットテープから聞こえる会話。このテープは本当に驚くくらい膨大な量で、内容もとんでもない。たわいもない日常の会話があるかと思えば、母親をわざと怒らせたものや警察に怒られたときに隠し録りしたものだったり、そんなものまで録ってるのか、と驚いてしまう。話の中にもそんなことまで暴露するの!? と思うようなエピソードもちらり。けれどそんな狂気じみた人生を送るダニエル・ジョンストンが紡ぎ出す歌はとても繊細でピュアだ。人間は凡人と本当の天才に別れるのかもなぁ、と思った110分。

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