『地下鉄(メトロ)に乗って』岡本綾インタビュー

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1997年の直木賞受賞作「鉄道員」、2000年の柴田錬三郎賞受賞作「壬生義士伝」ほか、数々の小説が映像化されてきた浅田次郎の原点にして最高傑作とも呼ばれるファンタジー作品「地下鉄に乗って」がついに映画化された。監督は『月とキャベツ』『深呼吸の必要』の篠原哲雄監督。時間も空間も超えた親子の愛、男女の愛にまつわる、普遍的なドラマを映し出した。

堤真一さん演じる主人公・真次とともに、地下鉄という日常的な乗り物によってタイムトラベルを余儀なくされるヒロイン・みち子を演じるのは、若手実力派女優、岡本綾。幼い頃から子役として大活躍し、NHK連続テレビ小説「オードリー」やTBSドラマ「いま、会いにゆきます」などのドラマ、そして数々の映画などで、着実な成長を遂げている彼女だが、本作で見せているのは、大切な者のためにすべてを投げ打とうとする強く愛情深い大人の女性。みち子という役を通し、女優として、そして1人の女性として、新たなる魅力を見せている。

1組の男女が時を超え、自分の過去とめぐり会い、人生における大切なものを発見するまでを辿った『地下鉄に乗って』。岡本さんが演じるのは、“恋愛”だけでは括れない、とてつもなく大きな愛で主人公を包む女性、みち子。「彼女が持つ愛の深さや芯の強さ、すべてを悟ったような部分がしっかりイメージ出来たので、まるで実在するように彼女を生かしてあげたいと思った」というのが、役柄について抱いた印象だったという。「タイムスリップすることで、自分の過去を紐解いていくという難しい役どころで、しかも私は彼女が旅していく時代を実際には知らない。ただ、誰かを愛するという感情はリアルなもの。彼女を知るために何が必要かと考えたとき、やはり愛に行き着いたので、まずは真次というパートナーを精一杯愛するところから始めようと思ったんです」。

愛をベースにみち子を演じたことで、人を愛することの素晴らしさを教えてもらった気がするのだと話す。「彼女が表現している究極の愛を、これから先、自分も経験できたらと思いましたし、あんな素敵な愛を経験する女性を演じるのは魅力的な体験でした」。今回、大人の女性を演じきり、新たなる一面を披露してくれた岡本さん。子役時代からキャリアを積んでいる彼女の役の変遷は、自身の成長の軌跡でもある。「私はまだ大人になりきれていないし、みち子のような強さも持っていない。でも毎回、役に生命を吹き込みながら、私自身も少し成長させてもらっているのかもしれませんね」。

新しい役を自分のものにしていきながら、人間としても成長していく。そんな彼女の中に、篠原哲雄監督は大きな可能性を感じたのだろう。事細かい演技指導をすることもなく、良い演技をしたときには、小さくだがしっかりと優しく頷いてくれたのだという。そんな監督ならではの暖かで穏やかな視線、定評ある確かな演出は岡本さんの感性を大いに刺激したようだ。「セリフはもちろん、タイムスリップした先の、その時代時代の街並みや、エキストラさんたちの衣装など、CGを使わず細かいところまで丁寧に作っていらしたんです。そのおかげで、それぞれの時代に生きた人たちの生活や活気、誇りや人情を、風景からも知ることができました。こんな人たちがいたから今の自分がいるんだとか、こんな時代に生きたから親たちは強いんだとか、いろいろなことに納得できて。そんな作品には出会ったことがなかったので、すごく大きなものを得ることができました」。

地下鉄に対しては、個人的な思い入れも強い、とこんな思い出も披露してくれた。「小学校1年生の時から児童劇団のレッスンに通うため東西線を頻繁に使っていたので、母との思い出が詰まっていて温かいイメージがあります。私にとって唯一、母を独占できる所は地下鉄だった。今も、無性に乗りたくなりますね」。そんな岡本さんが、もし、地下鉄でタイムトラベルするとしたら。「母が今の私と同じ年頃だった時代に行くことができたら面白いでしょうね。どんな風に父と出会って、どんな風に愛し合ったのか。女性としての顔も見てみたいです。母にはすでにこの作品を観てもらいましたが、やはり自分の両親の過去を見てみたい、もっと親孝行をしようと思ったと言っていました。それは、私にも親孝行をしろってことなのかな(笑)。でも、そんな話を家族でしたり、大切な思いを生むきっかけになってくれる作品だと思います」。

岡本さんの特別な思いも乗せて、『地下鉄に乗って』はいよいよ10月21日に走り出す。この映画を観た後は彼女が感じているように、見慣れた地下鉄の風景もきっと愛おしく思えるに違いない。



衣装協力:KOOKAI 03-3498-8205
《text:June Makiguchi》

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