『虹の女神 Rainbow Song』レビュー

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大切なものは失って初めて気が付く。そうやって失うことの切なさ、辛さを知り、人はいつか幸せを手にする──。『Love Letter』、『スワロウテイル』、『花とアリス』など、誰にも真似できない世界観を描いてきた岩井俊二が、はじめてプロデュースしたこの『虹の女神 Rainbow Song』もまた、大切な人を失ったときに人は何を思うのかをテーマにした青春と恋の物語。

最悪な出会いで知り合った智也(市原隼人)とあおい(上野樹里)。将来の夢、他愛もない会話、恋の話……大学の映画研究会で同じ時間を過ごすうちに仲間として心通わせるふたり。そして、あおいは自分が智也に想いを寄せていることに気付くが、その想いを伝えることなくロスへ旅立ってしまう。智也があおいの気持ち、自分自身の気持ちを知ったのは、皮肉にもあおいの訃報を聞いた後だった──。

「あの時、想いを伝えていたら……」と、この類の映画に“後悔”は付き物。しかし、なぜか『虹の女神 Rainbow Song』にはその後悔を感じない。一緒に過ごした時を懐かしみ、相手の想いをただ受け止め、自分の気持ちと向き合う──その姿に涙が溢れてしまうのだ。智也が虹を見て、その写真をあおいに送ったように、何気ない日常の感動を分かち合える人こそが自分にとって大切な人。自分の本当の気持ちに気付く、“大切な人探し”に一役買ってくれる映画なのである。

《text:Rie Shintani》

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