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映画祭に行こう! vol.1 今年の釜山をさりげなーく騒がせた、アジアのスーパースター

映画祭に行く人の目当ては、やっぱりスターである。アジア最大の映画祭、釜山国際映画祭には、いまやアジア映画の中心になっちゃった韓国映画界のスターはもちろん、アジア中のスターたちがザクザクやってくる。会期中の10日間、彼らは小さな町のそこら中で舞台挨拶やら野外イベントやら記者発表やらに登場していたりしており、当然ながらそれを追うファンやマスコミ、映画業界関係者もわんさかと押し寄せて、そりゃもー文字通りのお祭り騒ぎである。

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映画祭に行こう vol.1 今年の釜山をさりげなーく騒がせた、アジアのスーパースター
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映画祭に行く人の目当ては、やっぱりスターである。アジア最大の映画祭、釜山国際映画祭には、いまやアジア映画の中心になっちゃった韓国映画界のスターはもちろん、アジア中のスターたちがザクザクやってくる。会期中の10日間、彼らは小さな町のそこら中で舞台挨拶やら野外イベントやら記者発表やらに登場していたりしており、当然ながらそれを追うファンやマスコミ、映画業界関係者もわんさかと押し寄せて、そりゃもー文字通りのお祭り騒ぎである。

不思議なもので、そんな“磁場”の中心になるスターが毎年必ずいる。それは一番人気の俳優ってワケではなく、自分が望まれていることをちゃんと分かっていて、関係者ぜーんぶが喜ぶお祭り的演出ができ、おそらくはイレギュラーなことをしても周囲から文句が出ない器の大きさとかオーラを持っている人物なのである。例えば新庄とかね。私が見るに今年の中心はアンディ・ラウ。凋落気味の香港映画界をひとりで支える大スター、そしていまや中国語圏を代表するプロデューサーである。

アンディが公式に登場するのは開会2日目、メイン会場のヘウンデ海岸特設ステージでのオープントークと、3日目の「アジア映画人賞」受賞の記者会見である。今年の釜山は下手すりゃ東京より暑いくらいだったのだが、オープントークはアンディ目当ての人がごった返し、マスコミもカメラ位置を奪い合っている。翌日の記者発表では、これまた海岸の特設会見場に列をなすマスコミを、スルドい視線で見張るSPがうじゃうじゃ。アジアの若手監督にポケットマネーで映画を作るチャンスを与えているアンディは、もはやその辺のスターではなくアジア映画界の要人である。なのにそのカッコいいこと。今年で48歳なのだけれど漂うのは加齢臭じゃなくて華麗臭、トークでは徹底してアン・ソンギと韓国映画界に華を持たせ、会見では写真を撮るときに自ら椅子や名札を片付けるという謙虚ぶり。

会期中には彼の新作『三国志』の会見も開かれたのだが、ここにはイ・ビョンホンが表敬訪問で顔を見せた。10年前にテレビの撮影で会ったとき挨拶できぬままだったこと、アンディが「ビョンホンの映画を欠かさず見ている」と聞いたことを受けて、駆けつけたらしい。ビョンホンもなかなかのやり手である。だが同日のビョンホン主演作『あの年の夏』の会見に、今度はアンディが急遽駆けつけた。ああなのに、ぜんぜんイヤミがない。ファンだけでなくマスコミも喜ばせて味方につけてしまう。スーパースターの真髄を、ここに見たのである。

《text:Shiho Atsumi》
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