怖いけれど観たい…『ソウ3』ダーレン・リン・バウズマン監督来日インタビュー

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怖いけれど観たい…『ソウ3』ダーレン・リン・バウズマン監督来日インタビュー
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  • 『ソウ3』ダーレン・リン・バウズマン監督
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2004年に誕生した全世界衝撃のソリッド・シチュエーション・スリラー『ソウ』、続く2005年の『ソウ2』、そして迎える2007年待望の『ソウ3』で、瀕死の殺人鬼ジグソウが、再び新たなソリッド・シチュエーション(=状況設定)を仕掛けて私たちの前に現れる。

仕掛人としてメガホンをとるのは、前作『ソウ2』に引き続き、若干27歳の新鋭ダーレン・リン・バウズマン監督だ。
「ハイ! 以前にお会いしたことがありますね」時差ボケにも負けず、1年前と変わらないフレンドリーな笑顔で迎えてくれた。以前に比べると、監督としての貫禄も増したようだが、実は…。「撮影中に、12キロ太ってしまったんだ(笑)」そんな笑い話を繰り広げる穏やかな表情は、目を背けるような残虐な恐怖をつくり出す人には思えない。

『ソウ3』で描かれる恐ろしさは、見えないものを想像させる恐怖ではなく、敢えてあからさまに見せられることへの恐怖だ。劇中には、誰も見たくない、日常に潜むリアルな恐怖が多く仕掛けられている。
「前2作とは、アプローチの仕方が全く違うんだ。ストーリーのこだわりはもちろんのこと、トリックの凄惨さを見せること、さらにトリックに囚われた人たちの苦悩を見せることによって、よりエモーショナルにしたかった。感情を自分に置き換えることで、恐怖はより実感できるからね」

観たいけれど怖い、怖いけれど観たい…期待を裏切らない仕掛けは、ぜひ注目してほしいポイントだ。
「作り方は以前と変わっていないけれど、純粋に僕自身が怖いと思っていることをベースにして、恐怖をふくらましながら作って行くんだ。例えば、今回登場する冷凍室でのエピソードも、寒いのが苦手なことから来ている。昔から『入って閉じ込められたら、凍え死ぬんじゃないか?』って心配して、巨大な冷凍室が本当に怖かった(笑)。そのほかに、“捨てられる”と“閉塞感”ということもキーになっているよ」

引き続き登場する殺人鬼ジグソウは、不治の病に冒されながら、過去に彼の囚人となったアマンダをパートナーにし、究極のトリックを仕掛けてゆく。普通であれば殺人鬼と被害者になるはずの2人が、そうではない奇妙な関係だったことが本作で明らかになる。
「彼らの関係は、愛情や尊敬が入り混ざった、父娘・子弟・恋人のような、考え方次第でどんな関係にもなり得る特別なもの。前作では語りきれなかった2人の関係を、観客のみなさんが共感できるように、より人間らしく描きたかった。例えば、アマンダには自傷癖があるという事実を知ると、なぜそんなことをしてしまうのか? と疑問が生まれ、ただ頭のおかしい女が、一気に自分にとって近い存在に感じられるようにね」

大きなテーマとしてストーリーの中心になるのが、最愛の息子をひき逃げ事故によって亡くした男ジェフが繰り広げる家族愛。息子を失ったことに集中しすぎてしまい家庭を顧みず、結果的には美しい妻や娘を失ってしまうという、実際にまわりで起こりうるような出来事によって、より感情移入する気持ちが高まる。
「家族愛という日常的なテーマに、ジグソウとアマンダの関係を加えて踏襲されてくるのが“人は結局変わらない”ということ。悲しいことに、ジェフも最後まで復讐の憎悪に満ちていたんだ」

主人公ジェフのキャラクターは、監督自身にとても似ているそうだ。
「1つのことを最優先に考え、ほかのもの全てを後回しにしてしまう。僕に例えると、宝くじで1億円当たったとしても、同じ日にタイヤがパンクしたら、パンクのほうが気になるという感じ。そうだね、楽観主義者じゃなくて、悲観主義者ってことかな?(笑) ネガティブな部分は必ず誰もが持っていて、小さなことで人生は大きく変化する。前2作から続く最大のテーマは、人生の中での良い部分を大切にすることなんだ」

そして迎えるエンディングでは、さらなる謎を巻き込んで、私たちをトリックの渦に巻いて行く。
『ソウ』シリーズの哲学は、観たい人がいる限り続いていくこと。どうなるかは、みなさんそれぞれでエンディングを確かめて考えてみて!」

ジグソウとバウズマン監督の最強タッグによって仕掛けられた数々のトリック。早くもシリーズ最高傑作と呼び声の高い『ソウ3』をぜひ、自分の身に起こる最悪の出来事に置き換えて体験してきてほしい。あなたはこんな状況に耐えられる?

《text:Yukiko Takeda》

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