駆け抜けて消えていった、儚い生き様『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』レビュー

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イギリスロック界に現れた衝撃の結合性双生児バンド「ザ・バンバン」。結合体双生児トムとバリー=ひとつの胴体で繋がれた2人の映像は、話が進めば進むほどそれが当然のもののように見えてきて、繋がれている映像よりも、2人の生き方につい魅入ってしまう。で観終わってから、こんなかっこいいバンド、なんで今まで知らなかったんだろう…と悔やむ私。けれども、これはフィクションであって、実在のバンドではない。うっかり「こんなバンドいたの!?」と思ってしまうほどリアルに描かれている。

音だけでなく、双子の美しく優しかった顔が、バンドの成功や、片方が恋に落ちるといった変化を経て、徐々に破壊的になっていくのもまたこの作品の魅力。双子の片方トムが恋に落ちて、彼女と触れ合っているのを背中で感じながら、一人孤独に耐えるバリー。「ひとりぼっちの時よりも、誰かと一緒にいるときの方が孤独を強く感じる」とどこかで聞いたことを思い出してしまうほど、トムに背中を向けるバリーの寂しそうな表情が、離れたいけど離れられない残酷さを表していて、なんとも言えず切ない。

何も知らされずにこの作品を観た人は、必ず騙されるだろう。これは事実か、作り物か。が、フィクションか事実かに関係なく、彼らの搾り出すような音と破壊的な生き方が、観終わってからも、しばらく身体の中に衝撃を残す。儚くて、切ない2人の生き様。

破滅的で、儚くて、でも他人の中に残る生き方。日常を淡々と過ごしている自分の生き方と比べて、駆け抜ける生き方にちょっとうらやましさまで感じてしまった『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』。2人の、駆け抜けて消えていった、儚い生き様に惹きこまれます。

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