2007年前半、注目の日本映画 vol.4 強烈な個性に脱帽

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先日発表となったアカデミー賞でも、注目を集めた日本がらみの作品。ここ数年は俳優だけでなく、清水崇、中田秀夫ら監督たちのハリウッド進出、そして成功も珍しくなく、その力量を見せつけている現代邦画界。業界に勢いがあるときは、大手映画会社が出資する大作だけでなく、単館系の作品にも勢いのあるものが目立つように。

強烈な個性を凝縮させたのは、『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督。新作『松ヶ根乱射事件』では、田舎町で起こる珍妙な事件とそれを取り巻く珍妙な人々の姿を、淡々と描き出します。

『ファーゴ』を思わせるオープニング、あまりにダークすぎるエピソードの数々…。閉塞した田舎に潜む、平凡さと異常性という相反する性質は、現代のどのにも通じるものが。異常すぎるできごとも他人事なら言わぬが花、見てみぬふりを決め込む社会をかなり痛烈に皮肉っていました。あまりに“不思議ワールド”すぎて、中盤では少々“置いてけぼり”にされた気分になりますが、実はそれはすべて最後に起きる“乱射事件”を必然にするための巧妙な演出。タイトルからは、いったいどんな乱射事件が起きるんだろうと思っていましたが、乱射を単なる「結果」として描いているあたりに頭をガツンとやられました。

ニュースなどでは人が爆発した「結果」としての事件ばかりが扱われますが、そこに行き着くまでの原因めいたものも、事件と同等に異常だったり、凶暴だったり、不快だったりするわけです。そして、タイトル。観終わったとき、タイトルのセンスに脱帽するはず。派手ではないけれど、映画好きほど、唸ってしまう作品に違いありませんよ。

《text:June Makiguchi》

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