芽生える、春 vol.1 開花する美少年、ギャスパー・ウリエル

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いったい冬はどこへ? 気象観測史上でも稀に見る暖冬ということで、あっという間に冬を飛び越え春になってしまった日本列島。東京でも、すでに桜がちらほら咲き始めてしまったほど。狂い咲きする桜を見ていると、地球に温暖化をもたらした人間として、申し訳ない気分になります。とはいえ、春の訪れはいつも嬉しいもの。そして、この時期は植物の芽だけでなく、人間の心の中にもさまざまな“もの”が芽生えます。そこで、今月は映画で描かれるさまざまな“芽生え”についてご紹介したいと思います。

第1回目は『ハンニバル・ライジング』。この作品は、ご存知の通り、映画史上最も愛されている悪人ハンニバル・レクターの原点を描いたもの。いかにして、ハンニバルは“人食いハンニバル”になったのか。その芽生えを繊細に体現しているのが、フランス映画界きっての美青年ギャスパー・ウリエル。その美しい姿で観る者をうっとりさせる彼ですが、ハンニバルがハンニバルらしさを形成していく過程をかなり不気味に演じています。

そして本作では、ハンニバルの意外な過去も判明します。何とそこには、コン・リー演じるレディ・ムラサキを媒介とした日本文化との出会いが! この突然の繋がりに、日本人はちょっとびっくりするかもしれませんが、そこはご愛嬌。これまでに『かげろう』ではエマニュエル・ベアールと、『ロング・エンゲージメント』ではオドレイ・トトゥと共演してきた年上キラー、ギャスパーの美しさを堪能しながら、存分に“ハンニバル エピソード1”を楽しんでくださいませ。名匠に愛される美貌と才能で、すでに注目されていたギャスパー。今回、世界が注目する大作でハリウッド・デビューを飾ったことで、彼にとってもこの春は“開花(ブレイク)の春”となりそうです。

《text:June Makiguchi》

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