映画にまつわるファッション小噺 vol.34 ペネロペ・クルスが返り咲き!

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『ボルベール<帰郷>』
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今年のアカデミー賞関連の話題では、日本はもっぱら菊地凛子ばかりが取り沙汰されていたけれど、私がひそかに注目していたのがペネロペ・クルス。祖国スペインの作品で映画ファンを魅了し、ハリウッドに進出した点から言えば、菊地凛子にとっては“海外組”の先輩です。とはいえ、ハリウッドに進出してからは、あまりパッとせず。でも、スペインのお仲間、巨匠ペドロ・アルモドバルの手にかかり、見事名女優に返り咲きました。それは2人の久々のコラボである『ボルベール<帰郷>』が、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことでもお分かりの通り。「ペネロペ・クルスここにあり!」的演技を見せつけていたし、巻き舌でまくし立てるスペイン語もかっこよかった。

作品の出来は、アルモドバル・ファンなら期待通りに楽しめるはずですが、もうひとつ、彼の作品には欠かせない楽しみが。毎回、大道具から小道具に至るまで、細部にまでもこだわって自らのヴィジョンを実現させている彼。もちろんファッションも欠かせない要素になっています。

ペネロペが纏うのは、ドルチェ&ガッバーナ、ジョルジオ・アルマーニ、プラダ、マーク・ジェイコブスなどなど、名だたるブランドばかり。しかも、これらのブランドの中から選ばれているのは、ハイソなマダムが身に着けるようなシックなアイテムではなくて、ド派手な配色に露出の多い“あえて選ばれた”はすっぱな感じのアイテムばかり。でも、それこそがラテン女の情熱と迫力を感じさせているのです。その迫力をあえて表現するなら、女力(おんなぢから)。自分が女であることを決して忘れさせないぴったりとしたシルエット、目の覚めるような配色のコントラスト、そしてプリント×プリントも辞さない大胆なコーディネート。そこには、「何よ、文句ある?」的なふてぶてしさと、「着たいものは着させていただく」的な潔さがミックスされた、なんともいえぬ清清しさがあるのです。よく欧米で見かけますよね、ムチムチだけどミニスカートというおば様。まさに、そんな感じ。撮影中は、ムチムチ感を出すためにあえて“つけ尻”までしていたそうです…。

そんなファッションに身を包んだペネロペには、ラテン女ならではの色気が戻っておりました。ハリウッド作品に出演し、トム・クルーズと付き合っていた頃には、ある種の媚のようなものと、大衆向けの整った可愛さばかりが目立っていた彼女。でも、今回は違います。本来の活き活きとした彼女らしさが戻ったおめでたい作品を、ファッションとともにお楽しみくださいませ。



ドルチェ&ガッバーナ
ジョルジオ・アルマーニ
プラダ
マーク・ジェイコブス

《text:June Makiguchi》

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