ドヌーヴ、ベアール…芯の強い女性にはやはり憧れてしまう『輝ける女たち』レビュー

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存在感だけで演じることのできる女優。カトリーヌ・ドヌーヴはもはやそんな域に達している。そしてもう一人、エマニュエル・ベアールもまたドヌーヴに続く女優。フランスの2大女優を相手に、新鋭監督ティエリー・クリファが描くのは“和解”をテーマに昔の華やかな劇場文化を描いた人間ドラマだ。

物語はキャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエルの突然の死から始まる。彼の遺言によってそれまで疎遠になっていた家族──ガブリエルに育てられたマジシャンのニッキー、彼の前妻アリス、幼馴染みのシモーヌ、腹違いの息子と娘が集まってくる。“青いオウム”は息子同然のニッキーに引き継がれると思いきや遺書には彼の子供たちに相続すると書かれていた。ガブリエルの思惑は一体何なのか…。

思いがけない遺産相続、次々と明らかになる過去の秘密に振り回されていくニッキーは何とも情けなくもあるが、彼をとりまく女性たちの強さを引き立てている重要な存在なのである(演じるのはジェラール・ランヴァン)。

また、彼に関わる女たちが歌い上げる60〜80年代の名曲の数々がたまらなく魅力的。ベアールがハリー・コニック・Jrの「IT HAD TO BE YOU」を、ドヌーヴがルイジ・テンコの「Ho Capito Che Ti Amo」を、ジェラルディン・ペラスがベット・ミドラーの「THE ROSE」をフランス語でカバー(「LA ROSE」)している。歌える女優たちが魅せる女性の芯の強さ──特に他の女の元へ行くと分かっている男を励ます元妻・アリスを演じたドヌーヴの美しさと強さは別格! 「アリスはとてもいやな女よ」とドヌーヴは言うが、女性はそんなクセのある熟年女に憧れてしまうのである。

《text:Rie Shintani》

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