「ロンドンの今を観察してほしい」ジュード・ロウ『こわれゆく世界の中で』インタビュー

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『こわれゆく世界の中で』ジュード・ロウ インタビュー
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『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ監督が15年間温めたオリジナル脚本で臨んだ最新作『こわれゆく世界の中で』。1人の男性と2人の対照的な女性の間で揺れ動く“真実の愛”と“偽りの愛”を描いた本作で、『コールド マウンテン』に続くミンゲラ監督とのタッグを組んだ主演のジュード・ロウに本作の見どころを聞いた。

舞台は、急速に再開発が進む現代のロンドン。様々な国からの移民で構成されるがゆえに生じる貧富の格差という問題が本作の重要な背景となっている。
「作品は、いま僕らが住むロンドンの様々な世界がぶつかり合い、時には何もなく通り過ぎ、または絡み合う物語なんだ。僕たちは、そういったことを注意深く見なかったり、軽んじたり、断定的に見てしまったりもする。もっと悪いことには、そういったことに関心を持っていると考えてしまったりもする。『チャリティーでお金を寄付した』だとかね。『私は、私のできることをしている』と言うが、これは、誰のためにもなっていない。急所となっている暗部をまったく見ていないんだよ」。

そして表面的な善意・良い行いに対して、こう疑問を投げかけながら作品に内包されるメッセージに言及する。
「例えば、そんな人の家を掃除しているのは誰か? 料理を作っているのは誰? もしそういった人たちがよその国から来ている人たちだとしたら、その国は教育を与えた上で彼らを追い出しているかもしれない。この作品は、そういった今日的なロンドンでの暮らしのさまざまな様相に目を向けているんだ」。

本作の中でジュード扮する主人公・ウィルが心を奪われる女性も、ボスニアの戦火から逃れてきた女性である。その女性・アミラを演じるのはフランスの実力派女優、ジュリエット・ビノシュ。彼女について「僕がこれまで会った女優さんの中でも、最も想像をかきたてる人物の一人であることは間違いない」と言う。

「彼女は、自由であることや何かを恐れるというような気持ちを解き放ってくれるんだ。現実にそこにいてくれて、クルーメンバーの一人として楽しんで仕事に打ち込んでくれる人なんだよ。そして彼女は、何を投げかけても上手くこなしてくれるんだ」と賞賛する。

一方、ウィルの私生活のパートナーであるリヴを演じたロビン・ライト・ペンを、「以前から憧れを持って見ていた」というジュード。実は『オール・ザ・キングスメン』でロビンの夫、ショーン・ペンと共演していたちょうどその頃、彼女はこの映画出演に考えを巡らせていたそうで「奇妙な縁を感じるよ」と語る。

「彼女はアメリカの女優では稀有な存在だと思う。これまでずっと不可思議で興味深く、少しばかりとげとげしい自分というものを保ってる。ある意味、今こそが、彼女の時代だと思う。ただ若くて美しいというカテゴリー分けをされずに生き残ってきた数少ない女優だし、もちろん美しいけれど、それだけでひとまとめにされてきたわけではない。彼女はいま、ある年齢に差し掛かり、そういったものを振り払い、素晴らしい仕事をしてくれる場所に来たんだと思う」。

そして、これからこの映画を観る人に向けて、「この興味深い物語の中、ロンドンには様々なタイプの人間がいて、あらゆる意見が飛び交い、いろいろな政策とモラルが交錯し、息づいている、そんなことを観察してもらいたい」とメッセージを贈った。

「ただ面白いというだけではなく、今日の真実を映し出していると思う。現実に対し、とても誠実だということ。だからある意味、面白いものになってしまうんだ。それに、とても感動的で悲しくもある」。

“破壊”の後にのみやってくる“再生”。築き上げてきた愛を壊した先に、真実の愛は見つかるのだろうか——。
《text:cinemacafe.net》

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