今井美樹が20年ぶりの映画で役所広司の妻に! 論争を呼んだ秋元康の小説が映画化

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『象の背中』記者会見 左から井坂聡監督、今井美樹、役所広司、秋元康
  • 『象の背中』記者会見 左から井坂聡監督、今井美樹、役所広司、秋元康
  • 少し緊張した面持ちで決意を語った役所広司
  • 20年ぶりのスクリーン復帰に「足手まといにならないようにがんばります」
放送作家、作詞に映画脚本など多方面で才能を発揮し、様々な流行を生み出してきた秋元康が初めて手がけた長編小説「象の背中」。48歳で余命半年と宣告された男が選択したのは、延命治療ではなく残り半年の人生を全うすること。残りの人生をどう生き、どう死ぬのか? そして葛藤を抱えながらも夫のすべてを受け入れると決めた妻は? 死と向き合う、それは夫婦が、共に生きることの意味を改めて考えるということでもあった——。新聞連載時から、死を目の前にした男の赤裸々な思いと生き方が共感を呼ぶ一方、「男の身勝手」と論争を巻き起こした話題作の映画化が決定。6月21日(木)、映画『象の背中』の製作発表記者会見が行われ、原作者の秋元さんに加え、プロデューサーを務める小滝祥平、監督の井坂聡、主演の役所広司に、本作が20年ぶりの映画出演となる今井美樹が出席した。

「いよいよ始まる、という思いで少し、緊張しています」という役所さん。幸弘という男を演じるにあたって「妻がいて愛人もいて、妻のことも愛人のことも愛しているという、観る人に共感を持たれるのが難しい役だと思います。彼自身も気づいていない魅力とは何だろう? と考えておりますが、映画を観た方に『よくがんばったな』と死を見送っていただけるような人物像に出来たら、と思います」と決意を語った。共演する今井さんについて「CDもいっぱい持ってますし、その歌声には随分と勇気づけられ、癒されてきました。そういう方と夫婦を演じ、苦労もかけるわけですけど(笑)、楽しんでやりたいと思います」と語る。これから10kgの減量を経て「死にそうな男になる」という役所さんの変化にもぜひ注目したい。

秋元さんは原作小説のテーマについて、自身の父親の死に言及しながらこう説明する。「肝臓がんを患った父に、僕は告知をしないことを選択しました。死の間際、父は救急車の中で手書きメモを残してくれたのですが、それが判読できなかったんです。『父は僕や家族に何を伝えたかったんだろう?』とそれだけが心に引っかかっていました。余命半年ということは“いつかはわかる”の“いつか”がなくなるということ。短い時間で何かを伝えるということがどういうことかを考えたくて、このテーマを選びました」。

この思いを汲んで、悩んだ末に実に20年ぶりとなる映画出演を決めた今井さんは美和子という女性を「非常に強い女性」と語る。「美和子の中にも様々な葛藤はありますが、彼女はそれをあえて飲み込んで、家族の空気を上手にコントロールしている」。そう語る一方で「どうしても“完璧な女性”と思われがちですが、わかりやすい完璧な美和子ではなく、“強さ”もありつつ夫婦の間での“柔らかさ”も醸し出せるようにしたい」とも。

今井さんも役所さんも、それぞれのキャスティングを知らされたとき、ともに「幸弘(美和子)のイメージが立体化した」という。小滝プロデューサーは「原作を読みながら勝手にこの2人をイメージしていた」と言うが、どのような夫婦像が作られてゆくのか今から楽しみだ。秋元さんも「2人がどのように解釈し、監督がどんな切り方をしてくれるのか。小説とは違う新しい『象の背中』を観られると信じております」と期待を口にした。会見の最後には「もし余命半年と宣告されたら?」という質問が。秋元さんと小滝プロデューサーは「今と変わらぬ生活を送る」。監督の答えは「これまで出会った人と会いまくる。映画を作るのは時間がかかるので、アイディアをメモに残す」とのこと。そして今井さんが「家族との時間を充実させたい」と語る一方で役所さんの答えは「僕は休みの日に『今日は何をしよう?』と考えてる内に一日が終わってしまうという人間。同じように『この半年何をしよう?』と考えている間に時間が経ってしまうような気がします」というものだった。象は死期を悟ると群れから離れて死に場所を探す旅に出るというが、人間はどんな旅に出るのか? クランクイン前からそのテーマの深さに考えさせられた『象の背中』。期待して完成を待ちたい。
《text:cinemacafe.net》

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