向かうところ敵だらけ? ムーア監督、アメリカ人精神を正面から叩き直す!

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怖いもの知らずのムーア L.A.市長の前でアメリカ政府をズバリ斬る!
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銃問題、イラク戦争問題に続いてマイケル・ムーア監督が着目したのは「医療制度問題」。ブッシュ政権を目の敵にしながら、大国・アメリカに潜む社会病理を徹底的に追究していく監督の最新作『シッコ』。本作の6月29日(金)の全米公開を控えて現地時間の26日(火)、アメリカ・ロサンゼルス市庁舎前にて医療保険体制の改善を訴える集会が催された。渦中のムーア監督がロサンゼルス市長のアントニオ・ R・ビヤライゴーサ氏や映画の出演者たちとともに出席し、演説を行った。

映画のタイトル『シッコ』とは、英語で“精神病患者”という意味。そのタイトルが明示しているように、監督は医療制度問題を通じて、その根源であるアメリカ国民の“共有しない、助け合わない”精神を鋭く非難、そして本来国民を救うはずの政府の対応についても強い不満の意を表明した。「健康保険は特権ではなくて基本的な人権なんだ。トップ25の先進国の中で唯一、我々には公的な保険制度がない。ほかの24か国では病気になったらお金を払わなくても治してもらう人権が認められているのに、アメリカだけは個々人でこの問題に対応しなくてはならない。彼らが間違っていて我々が正しいのか? そうは思わないよ!」。

日本ではあまりよく知られていないアメリカの医療現場の実態を直視しながら、監督は「医者が患者を診察する際、その前に500マイルも離れたオフィスに座っている人間に『診断して良いか』と許可を求めるのではなく、その場で診るべきなんだ。目の前に治せる患者がいるのに、治療を施す前にその場にいない、医者ではない人間に許可を求めなくてはならないなんて、そんなのクレイジーだよ! 意味がわからない!! 医者と患者の間に中間業者が介在する余地なんて必要ない。保険会社、そんなものは必要ない!」と痛烈に批判する。ご当地カリフォルニアのアーノルド・シュワルツェネッガー知事に対しては「彼にはこう言ってほしい。『私が若い頃過ごしたオーストリアと同じようなユニバーサルなヘルスケアをカリフォルニア州に導入する!』と。彼のあの健康的な体を作ったオーストリアの保険制度をね!」とやや皮肉めいたアドバイスを一言。そして、この保険制度に関して政府が介入するのを拒んではならないともいう。「政府は素晴らしいことを過去にしてきているのだから。昔は空港からイラクの首都へ道を引くよりも短い時間でナチを倒したじゃないか? それが政府のすることだったんだ。本当のリーダーによって導かれていた時にはね」。

集会の後に行われた映画のプレミア上映に向けてレッドカーペットに降り立った監督は、日本の保険制度について聞かれ、「日本人のメンタリティーには共有し、助けあう心がある。それは非常に大切にすべきことだし、アメリカ人が見習うべきことだと思うよ。なぜなら、それに基づいて保険制度が出来るのだから」と答えた。

映画を観終えた人々からは「素晴らしい! ムーアのこの行動に賛同する!」と監督を支持する声が多くあがった『シッコ』。国による保障とは何なのか? 年金問題などでその根底部分が覆されつつある日本では、2007年8月25日(土)よりシネマGAGA!、新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開される。
《text:cinemacafe.net》

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