恋愛のあらゆる局面を描いた『イタリア的、恋愛マニュアル』のジャスミン・トリンカ

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『イタリア的、恋愛マニュアル』ジャスミン・トリンカ photo:HIRAROCK
  • 『イタリア的、恋愛マニュアル』ジャスミン・トリンカ photo:HIRAROCK
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情熱的で恋愛に長けている──。“イタリア人”と聞くと、なぜかそんなイメージが浮かんでしまう。だけどやっぱり、叶わない恋に苦しみ、過去の恋愛のトラウマに苦しみ、夫の愛が冷めてしまったことを悲しんだりしているのだ。そんな彼らの姿をコミカルに、そしてちょっと切なく描いた『イタリア的、恋愛マニュアル』。いろいろな恋愛の局面を切り取った4編のオムニバスである本作の1編、『第1章:めぐり逢って』に出演したジャスミン・トリンカに話を聞いた。

ジャスミンが演じるのは美しい女性・ジュリア。ひょんなことからトンマーゾというちょっと情けない男の子に一目惚れされてしまう。トンマーゾを演じているのは、イタリアで最も才能あふれる若手実力派として活躍しているシルヴィオ・ムッチーノだ。
「シルヴィオ自身もトンマーゾのように、ちょっと調子がいい感じです(笑)。女の子にとっては、とにかく自分を褒めてくれて、何でもしてくれて、優しくて…というタイプの人が良いはずなのに、実際には体よく閉め出されちゃうんですよね。女性というのは、自分にふり向いてくれなくて、ひどい扱いをするような人に惹かれたりするから。だからシルヴィオみたいに優しくて繊細な人間というのはなかなか上手くいかないんだと思います。本当は彼みたいな人間がたくさんいてくれた方が女性にとっては良いと思うんだけど」と笑う。

では、ジャスミンにとってもトンマーゾ=シルヴィオのような男性には魅力を感じないということ?
「シルヴィオは本当にすごくかわいくて、情熱的で、なんだか子供みたいな感じなんです。もう大人の男性のはずなのに。何でも自分でやろうとするところが、子供のままみたい。映画だって自分で脚本を書いて、自分で出演もして、今度は監督をしようとしているし、すごくエネルギッシュなんです。なかなかそういう人っていないとは思うんですけど、彼に対しては恋人というよりは保護者とか母親みたいな感じで接しているような気がします。仲の良い友達だし。だからすごく自然で気持ち良く仕事が出来ました」。

女優になる前は考古学を勉強していたというジャスミン。元々女優になる気はなかったという。
「ナンニ・モレッティという監督が、私が通っていた学校にオーディションをしに来たんです。そのとき彼は役者をやりたい人を探しているわけではなくて、普通の女の子を探していたらしくて。私はモレッティという人を知りたくて、彼に会いに行きました。それで『息子の部屋』に出演することになったんです。『息子の部屋』は、私にとってとても大事な映画だし、大事な経験になりました。だから、そこで終わりにするべきだと思ったんです。素晴らしい監督と仕事ができたし、私自身もそれに満足していたので、ここで終わりにするべきだと思ったんです。その後、いろんなオファーをいただいたんですが、台本すら読まずにお断りしていました。それから2年後に、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督から『輝ける青春』のお話をもらったんです。すごく素晴らしい話だったので、断り続けるのもおかしいんじゃないか、良くないんじゃないかと思って引き受けたんです」。

そのイタリアの名作2作品を経て、キュートな恋愛コメディである本作への出演が決定した。とは言うものの、ジュリアというキャラクターを演じるにあたって、ちょっとした騒ぎもあったそうだ。
「イタリアの場合、役者にはカテゴリーがあるんです。例えば私の場合は、若くてシリアスな映画、作家監督の映画に出る女優というカテゴリーに入っていました。そういう意味で、『イタリア的、恋愛マニュアル』をやることになった時にみんなビックリして“本当に良いのか?”と言われました。でも、私自身は今までと全く違うことが出来ると思って嬉しかったんです」。

この後も『カイマーノ (原題)』などの作品が控えている。
「『カイマーノ (原題)』では新人監督の役でした。あの映画をやったおかげで、いろんな人に『監督をやる気があるの?』と聞かれるようになりました。ということは私自身が女優じゃない、と見られているのかもしれないし、もしかしたら、自分の中にそういうものがあると見られているのかもしれませんね。元々女優になりたくてなったと言うよりは、女優になるチャンスが訪れたから女優になったという感じなんです。だからもしこの先、別のチャンスが訪れたら、また女優じゃない何かになると思います」。一観客としては非常に残念だと思うことを、かくも簡単に言われてしまうと、むしろすがすがしい。

『イタリア的、恋愛マニュアル』は、イタリアではすごく成功したんです。だから海外でも同じようにヒットしてくれたら嬉しいですね。コメディとはいえ、あまり商業的な映画ではないし、とても良くできているかわいらしい作品なので、とても満足しています」。まずは、この作品のキュートなジャスミンを楽しむべし。イタリア映画界からいなくなってしまうかもしれないという心配は脇に置いておいて。

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