「料理は愛情!」“官能料理”をお試しあれ『厨房で逢いましょう』のシェフが来日 

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来日記者会見に出席したミヒャエル・ホーフマン監督と劇中の料理を手がけたフランク・エーラー氏
  • 来日記者会見に出席したミヒャエル・ホーフマン監督と劇中の料理を手がけたフランク・エーラー氏
  • 自身の料理哲学を熱く語ってくれたエーラー氏。ドイツではホテルのレストランの料理長を務める
  • 撮影を通じてすっかりしたが肥えた様子の監督
料理の腕は超一流ながら人付き合いの下手なコックが、平凡な主婦に恋をした。彼にできるのはおいしい料理を作って彼女を喜ばせることだけ。彼女を想う気持ちが料理に乗り移ったのか、彼の料理を口にした者はそのおいしさに魅了されてゆくのだが…。2006年ロッテルダム映画祭の観客賞をはじめ各国で絶賛を呼んだ料理映画『厨房で逢いましょう』。本作の監督を務めたミヒャエル・ホーフマンと劇中の料理を手がけた料理人、フランク・エーラーが来日。7月19日(木)に開かれた記者会見で、映画の中の料理の魅力についてたっぷりと語ってくれた。

劇中におけるもう一つの主役とも言えるのが、主人公・グレゴアが手がける“官能料理”ことエロチック・キュイジーヌ。この料理の生みの親である一つ星シェフ、エーラー氏はこう説明する。「名前は少し宣伝的かもしれませんが、その名の通り非常に官能的な料理で、情熱・ハート・愛を注ぎ込んで作られたものです。調理の際に料理人は、クリエイティブであると同時にナイーヴ、そして繊細かつ料理に対して謙虚でなければなりません。料理を通じてお客さまに愛を伝え、日常の中で忘れられてしまった、その人の中に眠っている感覚を目覚めさせる。それができるのが私の考えるエロチック・キュイジーヌなのです」。監督の「(エーラー氏と)初めて会って、料理を食べたとき、『この人しかいない』と確信した」という言葉にもうなずける、熱い料理人魂を感じさせてくれた。ついつい劇中のグレゴアのイメージと重ねてしまいそうになるが「僕は引きこもりじゃないし、あんなに太ってないですよ」と笑う。ただし「料理に対して深い愛を持っている点では僕も彼も同じ」とも。

続いても食べ物に関する質問が。グレゴアが少女の誕生日にプレゼントする、プラリネ(ナッツやアーモンドをチョコでコーティングしたもの)を乗せたチョコレートケーキも観る者を幸せな気分にしてくれる。監督は「あのシーンは全ての物語の始まりとなる非常に重要なシーンでした。プラリネがどのような意味を持ち、どんな味がしたのか? それを映像で表現することはとても難しいことでした」とふり返った。ちなみにシェフによるとこのプラリネのポイントは「正確な温度と上質のカカオ」だという。ご家庭でもお試しあれ! と言いたいところだが…ちょっと難しいかも。そして監督は先ほどのシェフの言葉と同様「愛情を込めて作れば、神から与えられたようなプラリネを作ることが可能だと思います」と“愛情”の重要性を強調した。

会見中、監督は何度か「食が人生を変える」という言葉を口にしたが、実際にこの映画の撮影を通じて自身や撮影クルーの食に対する意識は、大きく変化したという。「撮影で使われた料理は現場のみんなで食べましたが、それによってこれまでグルメではなかった人や、料理に高いお金を払うことがなかった人も、おいしい料理のためにお金を払うことに価値があると知りました。私も撮影を通じて、少しグルメになったと言えるかもしれません」。そして映画の見どころについては「これまで普通の人とは違う生き方をしてきたグレゴアが恋に落ち、愛を得ますが、それによってこれまで非日常的人物であったからこそ手にしていた魔法を失ってしまう。これは非常におもしろく、心を打つところだと思います」と語ってくれた。観ると口の中に幸せが広がる? 『厨房で逢いましょう』はこの夏、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。
《text:cinemacafe.net》

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