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田中麗奈「痛みと温かい気持ちを分かち合って」『夕凪の街 桜の国』舞台挨拶

原爆投下から13年が過ぎた広島に生きる皆実と、現代の東京で暮らす七波。異なる時代を生きる2人の女性を主人公に、原爆を背景として、生きることの尊さを描いた『夕凪の街 桜の国』。7月19日(木)、本作の試写会が開催され、主演の田中麗奈、麻生久美子、さらに共演陣の吉沢悠、中越典子、伊崎充則、藤村志保と佐々部清監督が舞台挨拶に立った。

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原爆を通して生命の尊さを伝える『夕凪の街 桜の国』舞台挨拶
原爆を通して生命の尊さを伝える『夕凪の街 桜の国』舞台挨拶
  • 原爆を通して生命の尊さを伝える『夕凪の街 桜の国』舞台挨拶
  • 「自然に出てくる感情を大切に」 戦争見つめる田中麗奈
  • 戦争の時代を生きる女性を演じきった麻生久美子
原爆投下から13年が過ぎた広島に生きる皆実と、現代の東京で暮らす七波。異なる時代を生きる2人の女性を主人公に、原爆を背景として、生きることの尊さを描いた『夕凪の街 桜の国』。7月19日(木)、本作の試写会が開催され、主演の田中麗奈、麻生久美子、さらに共演陣の吉沢悠、中越典子、伊崎充則、藤村志保と佐々部清監督が舞台挨拶に立った。

田中さん演じる七波は、父を追って広島を訪れる中でこれまであまり知らなかった自身のルーツに思いを馳せる。田中さんも撮影を前に家族で広島を訪れたという。「作ったお芝居よりも自分の中から自然に出てくるものを大切にしたいと思って原爆ドームや資料館を訪れました。役者としてというよりも、誰かが生んでくれたおかげで命のある自分として、娘として行きたかったので、両親と一緒に行きました。そこで感じたいろんなことが七波に反映してるんじゃないかと思います」と語った。

もう一人の主人公・皆実を演じた麻生さんは役に込めた思い、そして作品の持つメッセージについてこう語る。「演じる上で一番大切だったのは『皆実の気持ちを理解したい』という思いでした。恥ずかしながら、これまで戦争や原爆について知ろうとさえもしてこなかったのですが、これからは私たちが伝える側にならなくては、と思います」。

映画の中では、広島の街が時代ごとの様々な表情を見せてくれる。昭和33年の街並みは東京近郊にセットが用意され、撮影が行われた。この撮影に臨んだ吉沢さんは「はじめは、広島で撮影ができなくて残念に思っていたんですが、ロケ地にはタイムスリップしたと思えるようなセットがありました。役作りはしていたんですが、セットの中に入るだけで(吉沢さんが演じた)打越が自然と降りてくるような感覚でした」と語った。時代とともに移りゆく街並みにもぜひ、注目したい。

原爆をテーマにした作品とあって、当初会場は少しだけ固い雰囲気に包まれていた。そんな中で会場を盛り上げてくれたのが伊崎さん。「僕はいま、30歳ですが、がんばって学生服を着ました。観ていただけたら分かりますが、僕、まだまだいけます! これからも学生服着ます」。伊崎さんの宣言に会場は笑いに包まれた。

皆実の母親・フジミを演じた藤村さんは、キャスト・スタッフを含め現場で最年長であり、終戦当時小学1年生。「戦争を知る世代として、自分なりに責任を感じながら演じました。つらい思いをしながらも、最後までけなげに精一杯生きたフジミの、一人の女性としての姿をご覧いただけたらと思います」と語ってくれた。

現場での監督の印象について、俳優陣を代表して中越さんが「監督は、どこまでも広い、海みたいな愛情の持ち主だと思います。監督に包み込まれるような感覚の中でお芝居ができて嬉しかったです」と語ると、監督は顔を真っ赤にして汗を一生懸命ぬぐっていた。

撮影について、麻生さんからはこんなエピソードが明かされた。「皆実が打越に、原爆が落とされたときのつらい思い出を話すシーンがあったんですが、天候に恵まれず延期が続き、最終的に撮影をした日は8月6日でした。朝から監督が『今日は8月6日だよ』と言ってくださって、私も共演者もスタッフのみなさんも、すごく気持ちが引き締まりました。個人的な思いですが、このことが、すごく力を貸してくれたような気がします」。

最後に田中さんが「映画の中に『このお話はまだ終わりません』というところがありますが、その通りだと実感しました。これまで原爆に関して『広島の人たちの痛みだな』と思ってた部分がありましたが、映画に参加して、日本中みんなの痛みであり、この痛みをみんなで分かち合ったからこそ学べることがあると思いました。作品を観て何を感じるか、どんなメッセージが自分の中に生まれるか、それを楽しみにしてこの映画を観てください。日本中が温かい気持ちに包まれると嬉しいです」と語ると、会場からは大きな拍手がわき起こった。

『夕凪の街 桜の国』は7月21日(土)より広島にて先行上映、28日(土)よりシネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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