小さな社会の大きなダイナミクスを描く『リトル・チルドレン』トッド・フィールド監督

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『リトル・チルドレン』トッド・フィールド監督
  • 『リトル・チルドレン』トッド・フィールド監督
  • 『リトル・チルドレン』 -(C) MMVI NEW LINE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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アカデミー賞5部門にノミネートされた『イン・ザ・ベッドルーム』のトッド・フィールド監督の5年ぶりとなる待望の新作『リトル・チルドレン』。主演のケイト・ウィンスレットがアカデミー賞主演女優賞に、13年ぶりに映画に出演したジャッキー・アール・ヘイリーが助演男優賞に、そしてトッド・フィールド監督とトム・ペロッタが脚色賞と、アカデミー賞3部門にノミネートされた本作のプロモーションのためトッド・フィールド監督が来日した。

監督と共に脚色賞にノミネートされたトム・ペロッタは原作者でもある。監督は、この原作を映画化しようと思った理由をこう語る。
「私の製作のパートナーに、レオン・ヴィタリという人がいます。彼が非常に頭が良くて、(スタンリー・)キューブリックと30年一緒に仕事をしていた人なんですけれども、彼はいつも本を読んでいるんです。でもどの本も好きじゃないと言っているんですよね。そんな彼が、珍しく良い本があったと言うんです。『どんな本?』と聞いても『いいからとりあえず読め』と言われて。原作者のトム・ペロッタという名前は聞いたことはあったんですが、彼の本を読んだことはなかったんです」。

トム・ペロッタは、『ハイスクール白書 優等生ギャルに気を付けろ!』の原作者でもある。この『リトル・チルドレン』も彼のベストセラー小説が原作だ。
「読み始めたらすごく面白くて笑いながら読んでいました。でも半分までいったら笑えなくなってしまった。ちょっと混乱したんです。でも良い意味での混乱でした。そして一気に読んでしまった。私が小説を一気に読むということは滅多にない(笑)。すごく上手なストーリーテラーの手に委ねられたような気がしたんですね。この作品は、ナレーションの第三者的な視点で語られているんですけれども、それがすごく良いと思いました」。

また監督は「本作には、2つのテーマがある」という。
「まず、父系家族とは何か、ジェンダーの問題、母親、母性。そういう“母性”で言えば、それは愛なのか、勇気づけることなのか、判断をしない無条件ということなのか…。そして、その対極に、暗い面で自分たちが自分自身を判断する、他人を判断する、あるいは正しい情報がないのに、第一印象で決めつけてしまう。この2つのテーマがあって、それが本編に流れているのが面白いな、と思って、この作品に惹かれたんです」。

『イン・ザ・ベッドルーム』も舞台は小さな漁村だったが、そうした小さな社会の中でのダイナミクスを描いているのが監督の特徴だと言えるだろう。
「どこの街でもどこの都市でもどこの国でも、みんな似たようなことをしていますよね。同じような服を着て、TVとか映画など同じ娯楽を楽しんでいる。世界ってすごく小さくなっていると思うんです。私はロス、ロンドン、パリなど、世界中いろんなところに住んだことがあるんですが、人ってそんなに違わないと思うんです。それよりも、うんと小さな、それこそ『イン・ザ・ベッドルーム』に出てきたような小さな村の中の社会的なダイナミクスに、何か面白みがあるような気がするんです。映画の中で、ケイト(・ウィンスレット)演じる主人公のサラが、公園のベンチで近所の人たちの話を聞くシーンは原作にはなかったんです。公園デビューじゃないですが、そのシーンでの政治的なダイナミクスみたいなものはどこにでもあり得るんじゃないでしょうか。人が人を勝手に印象で決めつけるというのはね。銀座でも良かったし、修善寺でも良かった。どの場所に設定しても同じストーリーがあったと思うんです」。

新作を準備しているという監督。内容について聞いてみたが…。
「今、脚本を書いているんですが、ストーリーがどこに行くかは、全然分かりません。だって、奥さんにも話していないほど、まだ初期の段階なんですよ」。

また5年待たされてしまうだろうか? それでも監督の描くダイナミクスには、その価値がある。
《text:cinemacafe.net》

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