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夏に観たい怖い映画vol.1 ゾクゾク…とやってきました怪談の夏

やってきました夏本番。ムシムシと湿気の多い日本の夏には、欠かせないのが怪談です。もちろん、春には春に、冬には冬に、秋には秋に似合う怪談を楽しめるけれど、やっぱり怪談の勝負時はお盆の頃、8月に違いありません。

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『怪談 (2006)』 -(C) 2007『怪談』製作委員会 
『怪談 (2006)』 -(C) 2007『怪談』製作委員会 
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  • 『怪談』 -(C) 2007『怪談』製作委員会
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やってきました夏本番。ムシムシと湿気の多い日本の夏には、欠かせないのが怪談です。もちろん、春には春に、冬には冬に、秋には秋に似合う怪談を楽しめるけれど、やっぱり怪談の勝負時はお盆の頃、8月に違いありません。

この時期には、稲川淳二のコワきもトーク、人間国宝の講談師・一龍斎貞水の立体怪談なども楽しめますが、ちょうど手軽に観られる映画『怪談』も劇場公開となります。

これは、天保十年生まれの落語家、三遊亭円朝が書いた怪談「真景累ヶ淵」が原作。同じく彼の手による「牡丹燈籠」と並ぶ代表作。映画では、江戸の町を舞台に、煙草売りの新吉と唄の師匠の豊志賀との色恋沙汰を描いているのですが、実はこの2人には、親の代から始まる浅からぬ因縁があるわけでして。そのせいで、新吉と豊志賀には奇妙なことがふりかかる。そのわけを知らぬは本人たちばかりなり、なのです。

原作では、新吉の兄・新五郎、豊志賀の妹・園の関係も相まって、物語はより複雑に。あまりに絡み合いすぎる糸を解きほぐし、怪談らしさを凝縮させたのが映画版と言えるかもしれません。監督は日本のホラーを世界に認めさせた立役者の一人、『女優霊』『リング』シリーズの中田秀夫。江戸情緒がたっぷりと織り込まれ、こけおどしを省き、人の心に訴えかけるように仕上げられた人間味あふれる怪談は、これぞ日本文化という「粋」を感じさせます。尾上菊之助、黒木瞳という主演2人の美貌も恐怖世界に色を添えていますが、2人が使う江戸ことばも耳に快い。当時の生活や美意識が息づいている江戸ことばに魅力を感じるのは、今では忘れられている粋な江戸文化を、羨ましく思う気持ちが湧いてくるからかもしれません。映画を観た後でも、原作を存分に楽しめるのは、まさにその証拠なのでしょう。

そんな楽しさもありますが、怪談を生み出すのは、いつの時代も人間の情と業なのだと、モンスターより何よりも人間が一番怖いのだと、改めて気づかせてもくれる映画『怪談』。映画を観てゾクッ、原作を読んでゾクッということで、この夏、最低2回はゾクッと楽しんでみてください。



・稲川淳二 公式サイト:http://www.inagawa-kaidan.com/

・一龍斎貞水 公式サイト:http://www.yougou.co.jp/teisui/file/page_view.php?page_type=1
《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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