カンヌに衝撃与えた『バッシング』小林監督最新作 ロカルノ国際映画祭にて4冠獲得!

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第60回ロカルノ国際映画祭授賞式にて 金豹賞を掲げる小林監督と渡辺さん 
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2004年に起きたイラクでの日本人人質事件をヒントに、被害者女性の葛藤の日々を描き、カンヌ映画祭で賛否両論を巻き起こした『バッシング』から2年。海外でも高い評価を受ける小林政広監督の最新作『愛の予感』が、8月1日より開催中のスイス・ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門にて、最高賞にあたる金豹賞はじめ、CICAE賞(国際芸術映画評論連盟賞)、ヤング審査員賞、ダニエル・シュミット賞を獲得、名誉ある4冠に輝いた。日本人監督のグランプリ受賞は1970年の実相寺昭雄監督の『無常』以来となる、37年ぶりの快挙。

映画『愛の予感』は小林監督第10作目にして、初主演に挑戦した一作。北海道の人知れぬ民宿を舞台に、最愛の娘をその同級生に殺された男と殺人を犯した娘をもつ女、偶然にも出会ってしまった被害者と加害者の2人の間に芽生えていく愛情を描く。冒頭シーン以外は一切セリフなしという斬新な構成の中で、2人の男女の微妙な感情の変化を捉えている。

今回、本作が出品されたロカルノ映画祭は、芸術性の高い作品を積極的に取り上げることでも有名だが、過去の代表的なグランプリ作品にはジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』やスタンリー・キューブリックの『非情の罠』といった不朽の名作が並ぶ。第60回を迎えた今年は、8月1日のオープニングを飾った『ベクシル −2077日本鎖国−』が一躍注目を集めたことが記憶に新しいが、日本からコンペティション部門に出品されたのは、『愛の予感』のみ。つまらない作品であれば上映中でも観客が席を立ってしまうのが欧米の映画祭。本作の公式上映では、席を立つ者はなく、満席の会場からは歓声と拍手が鳴り止まず、上映後の舞台挨拶に立った小林監督と主演の渡辺真起子は、盛大なスタンディングオーベーションで迎えられた。

そして期待が高まる中、決定した今回のグランプリ獲得。現地時間の8月11日、ヨーロッパ最大の野外シアター「Piazza Grande」(ピアッザ・グランデ)で行われた授賞式に出席した小林監督は、「公式上映前日のプレス試写での評判が良かったというのは聞いていましたが、一般の観客からも『ブラボー!』の声が挙がったことには驚きました。最高賞を含めた4つもの賞をいただけるなんて信じられない気持ちです」と受賞の喜びをあらわにした。また、カンヌを沸かせた前作『殯の森』に続く受賞となった渡辺さんは「日本では見たことがないお客さんの数にびっくりしましたが、この名誉の片隅にいることができて幸せです。監督に感謝しています」と感慨無量の表情を見せた。

「美学的に力強く、コンペティションに参加した19本の映画の中で最も個性的である」と同映画祭審査員長のイレーヌ・ジャコブに言わしめた『愛の予感』は11月下旬、ポレポレ東中野ほか全国にて順次公開。
《text:cinemacafe.net》
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