どこまで演技? 重〜い雰囲気の中、阿部寛主演『歩いても 歩いても』製作発表会見

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『歩いても 歩いても』製作発表記者会見。左から是枝裕和監督、原田芳雄、樹木希林、阿部寛、田中祥平、夏川結衣、YOU、高橋和也
  • 『歩いても 歩いても』製作発表記者会見。左から是枝裕和監督、原田芳雄、樹木希林、阿部寛、田中祥平、夏川結衣、YOU、高橋和也
  • 主人公なのになぜか重い空気の阿部寛、夏川結衣、田中祥平の一家
  • こちらは明るく、全撮影を終えたYOUと高橋和也の夫婦
『誰も知らない』で柳楽優弥にカンヌ国際映画祭史上最年少の主演男優賞をもたらした是枝裕和監督の最新作『歩いても 歩いても』。7月にクランクインした本作の製作発表記者会見が8月19日(日)に行われた。物語はある夏の日、久々に顔を揃えた一家の何気ない日常会話を軸に、そこにはいない亡くなった長男への様々な思いや、残された者たちの生への葛藤が綴られる。撮影中とあって会見は劇中の衣裳で行われ、是枝監督に加え主演の阿部寛、夏川結衣、YOU、高橋和也、田中祥平、樹木希林、原田芳雄が出席した。

会見に持ち込まれたのは衣裳だけでなく登場人物のキャラクターも? 一家の次男・良多を演じた阿部さんは開口一番「気持ちが非常に萎えてます…。不器用な弟で、歩いても歩いても一歩出遅れてしまう役なのですが、今日は特に萎えております」とため息。初の是枝作品への参加となるが、監督の演出については「新鮮だったのは、セリフに慣れさせてくれないという点。やっていくうちに言いやすいようになると、演じる側は気持ちがいいのですが、そこに行く前に監督からはOKが出る。完成した作品がどうなっているのか、未知数です」と語った。

良多の妻・ゆかりを演じた夏川さんにとって是枝作品は3作目。「嫁ということで日々、気を使って、心身ともに疲れ果てて家に帰ってます」と苦笑い。ただ、「素の自分からはかけ離れたキャラクターなので、そこを楽しんで演じています」とも。ゆかりの連れ子・あつしを演じた田中くんも「毎日楽しいです」とはにかみながらコメントしてくれた。

そんな笑顔を横目に、重い雰囲気で口を開いたのは家長の恭平役の原田さん。「毎日が非常に辛いです…。戦中派の親父が昭和のツケを一身に払っているという感じで家族全員にいじめられています。一人だけ、ノアの方舟に乗れない男です」と自嘲気味に語る。

樹木さんはそんな恭平の妻・とし子を演じる。「こんな顔の親からどうしてこんな子供たちが生まれてきたのか不思議です。夫と子と孫を持つ、よくいる母を演じてます」とこちらは涼しい顔で語るが、この母からもどこか一筋縄ではいかない雰囲気が…。

YOUさん扮する長女・ちなみの夫の信夫役の高橋さんは「明るくて調子の良い、無責任なマスオさんを演じたいと思います」と笑顔で思いっきり“部外者”感を醸し出す。

そして、一家の間を器用に泳ぎ回り、ぶつかり合う家族の仲を取り持つ長女・ちなみを演じたYOUさん。「毎日、非常に楽しく撮影に臨んでます。ねっ?」と明るく呼びかけるも阿部さん、夏川さん、原田さんはよっぽど辛いのか…沈黙。「休憩や食事のときも含めて本当に仲の良い家族で…ねっ?」という言葉には一同少し顔を引きつらせながら笑顔。これは、キャスト陣が役に相当入り込んでいるという良い兆候なのか? それとも…。YOUさんは続いて「脚本を読んだときは『また地味なの書いたなぁ』って。監督はオタクなんでね。撮影でも結衣ちゃんの足元にばっかりカメラを寄せたり、料理の音にやたらこだわったり」とこれも役柄どおり(?)の毒舌トーク。だが、キャスト陣一同、微妙な空気を醸し出しながらも、是枝演出によってどんな作品が出来上がるのか、良い意味で期待を裏切られるのを楽しみにしている様子がうかがえた。

“日常的な言葉のみ”と“セリフは3行以下”というルールを課して脚本を書いたという是枝監督は「オタクなんで毎日撮影後にせっせと編集作業してます(笑)。この素晴らしいキャストで充実した人間ドラマを撮りたいと思います」と力強く語ってくれた。ここまで劇中の雰囲気が持ち込まれた会見があっただろうか? 俳優陣の思い(怨念?)が注ぎ込まれた完成品への期待が高まる『歩いても 歩いても』は2008年初夏、公開予定。
《text:cinemacafe.net》

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