“食べる”という行動自体に感じるエロティック『厨房で逢いましょう』

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『厨房で逢いましょう』
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食べるという行為はある意味エロティックでもあり、食欲と性欲も関わりが深いもの。そのせいか、『赤い薔薇ソースの伝説』や『タッチ・オブ・スパイス』、『マーサの幸せレシピ』など、恋と人生と料理を題材にした映画が過去にも多く作られてきた。『厨房で逢いましょう』は、料理の腕は超一流だが、自分の感情を相手に伝えるのが苦手な天才シェフの物語。主人公のシェフ、グレゴアは嫉妬深い夫と幼い娘のいる主婦・エデンに恋心を抱き、彼女を自分の料理で満足させることに幸せを覚え始める。

一方、天才たるグレゴアの料理にすっかり恋してしまったエデンはむしゃぶりつくように彼の料理を求めるのだが、このあたりの描写がなかなかエロティック。欲しくて欲しくて仕方がないものをガツガツと口の中におさめていく彼女の姿を目のあたりにしたグレゴアが、すっかりまいってしまうのも無理がなく、ただ欲望に従って料理を求める無邪気なエデンの“罪な女”ぶりが笑える。しかも、エデンはグレゴアの料理を媒介に夫との仲を活性化させようとするのだから、グレゴア目線で考えればとことん切ない。観ている私たちは、アンハッピーエンドが待っていても何らおかしくない展開にしょんぼりさせられたりもする。

しかしながら、2006年のロッテルダム映画祭では5点満点中4.73という高得点で観客賞を受賞。この“観客賞受賞”が何を意味するのか…、映画館でお確かめを。

《text:Hikaru Watanabe》

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