「目指したのは体温低めの気持ち悪いヤツ」『スピードマスター』の極悪人、内田朝陽

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『スピードマスター』 内田朝陽 photo:Yoshio Kumagai
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ド派手にチューンナップ&ドレスアップされたスポーツカーがストリートでレースを繰り広げる『スピードマスター』。過去に傷を持つ無口な主人公・赤星颯人とスピード勝負をする黒咲勇弥を演じた内田朝陽に話を聞いた。

当初の勇弥というキャラクターは、本作に登場する勇弥とは全然違っていた。
「もともとの役はもっと分かりやすいキャラクターだったんです。強くて、凶暴で…例えるならジャイアン・キャラ。それに加えて、スピード狂で悪いヤツ。キレ・キャラというより、体温が高い感じだったんですよね。言葉に出てくるものもあまりにも直接的だし、仕草や衣裳も全然雰囲気が違っていました。今よりも、いろんなものがガチャガチャと衣裳についていて、髪の毛の色もものすごくカラフルで、もっとサイバーっぽい感じだったんです。でも僕が持っているイメージは、もっと体温が低くて、アシンメトリーな人。ファシズムの要素がある感じにしたかったんです。つまり、怖いというよりも気持ちが悪い人(笑)。監督といろいろと話しながら、いまの勇弥というキャラクターを作り上げる。そういう作業ですね。それは台本が上がってきてからも続いたので、すごく楽しめたんですけど、大変でした。でも、ものすごくやりがいがありましたよ」。

やはり、朝の連続テレビ小説「どんど晴れ」のキャラクターを始め、好青年というイメージが強い内田さん。これまでとは正反対のキャラクターを作り上げるのに苦労したのかと言えば、そうでもない。
「実は、意外に『どんど晴れ』のときの方が苦労したんですよ。今回は、いままでやったことがない役柄だった分、これまでに少しずつたまってきていたアイディアがあったりして、その中で使えそうなものを使えたんですよね。それに元々、こういう役柄に興味があったんです。とはいえ、やりたいことを全部やればいいわけではないし、ついやりすぎてしまうキャラクターですよね。だからもし、やりすぎていたり、単に面白がってしまう瞬間があったらきつく注意してほしいと監督にお願いしました。そこは一番怖かったところですね。押し売りな感じになるというか、なんというか…。恥ずかしいと思うんですよね、そうなってしまったら」。

カーレースのシーンはもちろんCGをフル活用している。迫力あるレースシーンの裏側にはやはり苦労は尽きない。
「いまどういう状況なのか、例えば何回目のレースなのか、何個目のコーナリングなのか、いま自分の前に誰がいて、後ろに誰がいるのか、何キロくらいのスピードなのかなど、全部一個ずつ整理しながらワンカットずつ撮影していくんです。でも実は僕は、止まっている車に座っているだけ。だから、スピード感が出ているような感覚っていうのはなかなかイメージしづらいんですよ。何キロも走るレースって、やっぱり想像の域を出ない。実際よりももっと速く、もっと恐怖感があるようにしないと、映画として面白くないですよね。そのイメージは監督の頭の中にしかないんです。そのスピード感を止まっている中でどうやって出すかというのは意外に思っていたよりも大変でした。でも、初めての経験だったので、楽しんでできたんですけど(笑)」。

イメージがしづらかっただけに、完成された画を観たときは「客観的に楽しかった」という。
「僕の精一杯の想像力にCGが上手く乗って、しかも監督がスピード感を出す力添えをしてくださったな、助かったな、と思いました(笑)」。

その彼の想像力は今後さらに羽ばたいていくだろう。

《photo:Yoshio Kumagai》

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