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【ヴェネチア映画祭レポートvol.09】映画祭常連のジョニー・トーは本物の天才!

ヴェネチア映画祭では毎年恒例で、コンペ作品のうち1本をサプライズとして、映画祭開始後に発表している。今年のサプライズ作品は、香港のジョニー・トーとワイ・カーファイが共同監督した『Mad Detective(神探)』。昨年の『Exiled(放・逐)』に続いて2度目のコンペ入りとなったジョニー・トーは、カンヌ映画祭の常連でもあり、海外の映画祭に引っ張りダコの存在。ジョン・ウーやアンドリュー・ラウのように海外進出を狙わず、ひたすら香港にこだわり続けている彼は、仏のカイエ・デュ・シネマ誌が「香港の孤高のサムライ」と呼ぶように、ほかの誰も思いつかないような映画技法、そしてストーリー・テリングを毎回ぶつけてくる。私が思うに、この人は本物の天才だよ。

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左がジョニー・トー監督、右がワイ・カーファイ監督
左がジョニー・トー監督、右がワイ・カーファイ監督
  • 左がジョニー・トー監督、右がワイ・カーファイ監督
ヴェネチア映画祭では毎年恒例で、コンペ作品のうち1本をサプライズとして、映画祭開始後に発表している。今年のサプライズ作品は、香港のジョニー・トーとワイ・カーファイが共同監督した『Mad Detective(神探)』。昨年の『Exiled(放・逐)』に続いて2度目のコンペ入りとなったジョニー・トーは、カンヌ映画祭の常連でもあり、海外の映画祭に引っ張りダコの存在。ジョン・ウーやアンドリュー・ラウのように海外進出を狙わず、ひたすら香港にこだわり続けている彼は、仏のカイエ・デュ・シネマ誌が「香港の孤高のサムライ」と呼ぶように、ほかの誰も思いつかないような映画技法、そしてストーリー・テリングを毎回ぶつけてくる。私が思うに、この人は本物の天才だよ。

今回の『Mad Detective(神探)』も、文字通り“Mad”としか思えないブッ飛んだ仕掛けがありつつも、めちゃくちゃ面白いエンターテイメント作品に仕上がっている。演技派ラウ・チンワン演じる主人公の元・刑事は、人間に隠されたいくつもの人格を見ることができるという設定。彼が追う犯人には7つの人格があり、それぞれを7人の俳優が演じている。

「多重人格の話ではなく、誰でもいくつもの人格を持っているということを描いているんだ」とトーは語ったが、車のシーンでは7人がギュウギュウに詰め込まれていて大笑い。とはいえ、あまりの発想のすごさに笑ってしまっただけで、大した映画です。このすごさが審査委員長のチャン・イーモウに伝わるかはちょっと疑問だけど、観客には大受け。日本では未公開作が多いトーだが、これを機に大傑作『エレクション2』とあわせてどこか配給してください。お願いします!



写真は、左がジョニー・トー、右がワイ・カーファイ。
《text:Ayako Ishizu》

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