【ヴェネチア映画祭レポートvol.10】審査員全員一致の金獅子賞『ラスト、コーション』

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公式会見時のアン・リー監督ほか。左からワン・リーホン、タン・ウエイ、アン・リー監督、トニー・レオン、ジョアン・チェン
  • 公式会見時のアン・リー監督ほか。左からワン・リーホン、タン・ウエイ、アン・リー監督、トニー・レオン、ジョアン・チェン
今年のヴェネチアはサプライズだらけ。アン・リーの『ラスト、コーション』の金獅子賞(グランプリ)の受賞は、現地ではかなり予想外として受け止められていた。でも、このレポートを最初から読んでくれた方にはおわかりのように、私は最初から『ラスト、コーション』に心を奪われ、結局、最後までその衝撃から抜け出せなかった。ただ、さすがに作品賞は無理かも、と思っていたんだよね。何せアン・リーは2年前に『ブロークバック・マウンテン』でグランプリを獲ったばかりだし、去年のジャ・ジャンクーの『長江哀歌』と、このところ中国系監督の受賞が続いていたので、なんらかのバイアスがかかるかと思いきや、審査員全員一致で決まったそう。

委員長のチャン・イーモウが中国人だからではという憶測もあるようだが、イーモウは中国、アン・リーは台湾出身だし、映画作りの姿勢も全く違う。私が思うには、審査員のカトリーヌ・ブレイヤとジェーン・カンピオンの2人の女性監督が、『ラスト、コーション』を相当気に入ったんじゃないだろうか。2人とも性愛の深淵を見つめる監督だし、そこに真正面から挑んだアン・リーの姿勢に共感したのでは?

監督賞にあたる銀獅子賞は、イラク戦争を扱った『Redacted』(原題)のブライアン・デ・パルマが受賞。グランプリの有力候補と目されていたので、ある意味でサプライズではあったが、長く映画賞とは無縁のデ・パルマとしては嬉しかったはず。ここ数年、ヴェネチアはアカデミー賞の前哨戦としての意味合いも強まっており、その点でも今後、注目の作品になりそうだ。



写真は、公式会見時のアン・リー監督ほか。左からワン・リーホン、タン・ウエイ、アン・リー監督、トニー・レオン、ジョアン・チェン。
《text:Ayako Ishizu》

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