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ファッション小噺vol.56 エコセレブのパイオニア『ミス・ポター』

ここのところ、エコネタが多いですが、このたび、エコセレブの先駆者的存在の女性の人生が映画になったので、そのご紹介を。

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『ミス・ポター』 -(C) Uk Film Council/Hopping Mad Distribution(IOM)Ltd 2006 All Rights (C) F.W07
『ミス・ポター』 -(C) Uk Film Council/Hopping Mad Distribution(IOM)Ltd 2006 All Rights (C) F.W07
  • 『ミス・ポター』 -(C) Uk Film Council/Hopping Mad Distribution(IOM)Ltd 2006 All Rights (C) F.W07
  • 『ミス・ポター』 -(C) Uk Film Council/Hopping Mad Distribution(IOM)Ltd 2006 All Rights (C) F.W07
  • 『ミス・ポター』 -(C) F.W07
ここのところ、エコネタが多いですが、このたび、エコセレブの先駆者的存在の女性の人生が映画になったので、そのご紹介を。

その女性とはみなさんもご存知のビアトリクス・ポター。「ピンと来ない」という方も、青いジャケットがトレードマークのキュートなうさぎ、ピーターラビットの産みの親といえばわかるでしょうか。

20世紀になったばかりのイギリスで絵本作家として活躍した彼女は、封建的な当時の社会では最先端を行く職業婦人。上流階級の出身だっただけに、仕事を持つことはかなり珍しいことだったようですが、彼女が選んだのはアーティストとして生きること。作品の題材は、幼い頃から彼女を虜にしていた自然豊かな湖水地方とそこに暮らす動物たちでした。親の反対を押し切ってまで、信念を貫き自分の人生を歩む彼女には、成功と幸せが訪れますが、悲しい別れも体験します。そんな時にも、彼女を支えたのが湖水地方の美しい自然だったといいます。

晩年になり、彼女はその景色を未開発のままいつまでも残したいと、創作活動で得た財産と、親から譲り受けた豊かな遺産で、広大な土地を購入。遺言により、その土地はナショナル・トラストに委ねられ、今も湖水地方国立公園の一部として昔の景観を伝えています。そう、私財を投じて美しい景色を守ろうとしたポターは、エコ運動のパイオニアともいえるセレブリティなのです。

ちなみに、ナショナル・トラストとは、National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beautyの略称で、歴史的建造物や自然の景色を保護するために設立された英国のボランティア団体。この運動の創設者の中に、ポターの友人がいたとのことですが、ナショナル・トラストも強い支援者を得てさぞ心強かったことでしょう。

『ミス・ポター』でも、彼女が愛した湖水地方でのロケが実現しているので、そんな背景を知って観ると、感激もひとしおかもしれません。実は私も2年前、湖水地方へ行きました。都会に暮らす私にとっては、これが21世紀の風景なのかと驚くほど。そこだけ時が止まったようでした。この景色を私たちが今も楽しめるのは、ポターのおかげというわけなのです。

さて、その旅行の際、バスで一緒になったイギリス人夫婦といろいろ話をしていたら、ピーターの話になりました。すると「それにしても、なぜピーターラビットは日本で人気なの?」との質問が。でも、こちらとしては「なぜ? イギリスでは人気じゃないの?」という感じ。そう訊ねると、肩をすくめて首をかしげていました。確かに、おみやげ物店に並ぶピーターラビットのグッズは日本人旅行者向けという感じ。国内旅行者で手に取っている人もあまり見かけませんでした。

もちろん、ピーターの絵本は世界111か国で1億部のベストセラーを記録し、新しい世代にも愛され続けていることを考えれば、彼が世界的な人気者であることは疑う余地などありません。ただ、CMにも頻繁に起用されていることを考えると、ピーターは生まれ故郷でよりもむしろ“キャラクター大国”日本での方が、スター扱いされているのかもしれませんね。



・ピーターラビットの公式サイト
http://www.peterrabbit.com/jp/
《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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