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Gacktが「声優過ぎず俳優過ぎず」に演じたキュートな悪役『アーサーとミニモイ』

リュック・ベッソン監督が初めて手がけたファンタジー映画『アーサーとミニモイの不思議な国』。本作でデヴィッド・ボウイが声を演じたマルタザールの日本語吹き替え版を担当したのが、ミュージシャンのGacktだ。

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『アーサーとミニモイの不思議な国』 Gackt photo:Yoshio Kumagai
『アーサーとミニモイの不思議な国』 Gackt photo:Yoshio Kumagai
  • 『アーサーとミニモイの不思議な国』 Gackt photo:Yoshio Kumagai
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  • 『アーサーとミニモイの不思議な国』の撮影風景
リュック・ベッソン監督が初めて手がけたファンタジー映画『アーサーとミニモイの不思議な国』。本作でデヴィッド・ボウイが声を演じたマルタザールの日本語吹き替え版を担当したのが、ミュージシャンのGacktだ。

マルタザールというキャラクターは、ミニモイたちの脅威となる存在。いわば悪役である。しかし、どこかコケティッシュでキュートな一面を持っている。
「ヒーローとヒール(悪役)とどちらを演じたいかと言われたら、ヒールを演じることの方がよっぽど興味がある。完全な悪を演じるのは、さほど難しくないから。どこか憎めなかったり、ちょっと笑えてしまう部分やキュートさを持っている悪のキャラクターをずっと演じてみたいと思ってた。このアフレコのオファーが来たときに、僕が思う悪役のイメージを話したら、制作側もそれがマルタザールのキャラクターにピッタリだということで、引き受けることにしたんだ」。

このマルタザールというキャラクターを演じるにあたって、Gacktさんのアプローチはデヴィッド・ボウイとは少し違っていた。
「デヴィッド・ボウイが演じるマルタザールは、感情に起伏がない感じで、淡々とした印象を受ける。僕もそれと同じ感じでやってしまうと、マルタザールがいかにも悪役になってしまうと思ったから、僕は子供たちが観たときに面白いと思えるような、悪役なんだけどどこか憎めないキャラクター作りをしようって、今回マルタザールを演じるにあたって意識したかな」。

「僕は声フェチ」と公言するGacktさん。今回の吹き替えもキャラクター作りだけではなく、“声”の部分でもかなり気をつかったそうだ。
「昔から映画は必ず2回観る。1回は吹き替え版を観るんだけど、声優さんではなくたまに俳優の方が吹き替えてることがあって、それがなんとなく違和感を感じるときがある。やっぱり声だけで勝負してる人と、実際の演技も含めて勝負してる人とは声や話し方の印象が違うんです。そういうのって子供も敏感に感じるもので、僕自身も子供の頃から感じていた。だからこの作品を観る子供たちがそこに違和感を感じないように、なるべく自然になるように意識したね。一番難しいと思ったのが、声優さんと俳優さんが交ざっていたこと。全員が声優さんであれば、声のトーンを掴みやすいんだけど、声優と俳優が交ざっていると、声のトーンが部分部分で変わるんだ。そのバランスを取るのが難しかった。マルタザールが話す相手のアフレコは俳優さんが多かったから、キャラクターを作りすぎて声優的になりすぎると、会話が成り立たなくなるというか、キャッチボールができなくなるから、俳優と声優の中間ぐらいの雰囲気を作るように意識してやったんだけどね」。

数年前には映画のプロデュースもしているGacktさん。今年の大河ドラマにも出演しているし、今後、演技というフィールドでさらに活躍してくれるのだろうか?

「映画は興味ひかれる作品やスケジュールが合えばやっていきたいと以前から思ってる。前回自分で作った映画以降は、映画からは離れてたけど…。今年大河ドラマに出演してとても勉強になったし、いい出会いもあって得るものが本当に大きかった。この経験を生かして今度は映画もやってみたいね」。

なるほど。リュック・ベッソン監督作品が好きというGacktさんだけに、ベッソン監督作品への出演という可能性も?

「それが実現したら嬉しいよね。彼は本当に素晴らしいクリエイターだし、一緒に何か作れればいいなって思ったんだけど、今回の『アーサーとミニモイの不思議な国』で監督を引退するって聞いて。“なんだ、引退か”って(笑)。すごく残念だよ」。

本当にベッソン監督が引退するかどうかは別として、Gacktさんには、ぜひとも俳優としての活動の場を広げてほしい。


Gackt
最新シングル「RETURNER〜闇の終焉〜」がオリコン初登場1位を獲得。ミュージシャンのほか、TVやCM、小説の執筆などマルチな才能を発揮。現在、大河ドラマ「風林火山」に上杉謙信役で出演し、俳優としても高い評価を得ている。
・Gackt official webhttp://gackt.com/
《シネマカフェ編集部》

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