「自分が破滅するか相手がするか」ジョディ・フォスター『ブレイブ ワン』来日会見

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『ブレイブ ワン』来日記者会見。右からニール・ジョーダン監督、ジョディ・フォスター、プロデューサーのジョエル・シルバー
  • 『ブレイブ ワン』来日記者会見。右からニール・ジョーダン監督、ジョディ・フォスター、プロデューサーのジョエル・シルバー
  • 主演のみならず本作では製作総指揮も務めた
  • 作品への熱い思いを語ってくれたニール・ジョーダン監督
愛する者を奪われ、突如として崩壊した幸せ。彼女は復讐のため銃を取る。正義とは何か? 勇気とは何かを問いかけるサスペンスムービー『ブレイブ ワン』。10月27日(金)の公開を控え、本作の主演で、製作総指揮も務めたジョディ・フォスター、メガホンを取ったニール・ジョーダン監督、プロデューサーのジョエル・シルバーが来日。10月16日(火)に都内で記者会見が行われた。

今回ジョディが演じたエリカは、善とも悪とも断定するのが非常に難しいタイプのキャラクター。「暴力によってひどい目に遭った女性は普通、内向きに閉じこもってしまうもの。例えば酒に溺れたり子供を虐待するとかね。でも、エリカはそうじゃなくて『私は自分を破滅させたくない。だからあなたを破滅させるわ』というタイプ。それがこの映画のユニークなところね。最初はすごく驚いたわ。こんな女性がいるのかなって。でも人間の心の奥にはこういう“ファンタジー”と言えるものがあるんじゃないかって、撮影していく中で思ったの。もちろん、エリカのしたことは間違っていると思うわ。それでも、私たちは彼女に共感してしまう。暴力は全てを破壊してしまうけど、それでも彼女は美しい。彼女自身も自分が間違っていることを分かっているの。でも、彼女はそうせずにはいられない。それがこの映画の持つ力であり、彼女の彷徨の美しさなんです」。肯定するでも否定するでもなく、エリカの内面を深く掘り下げたジョディ。さらに、映画のタイトルにもある“brave(=勇気)”という言葉に触れ「彼女のたどる結末を考えると、“勇気ある者”という意味のこのタイトルには皮肉が含まれているのかもしれないわね。でも、最後の方に出てくる彼女の『私は生きたい』というセリフは彼女の中の勇気だと思うわ」。

役柄、作品については冷静な語り口のジョディ。それでもプライベートに話が及ぶと「ジョディ・フォスター自身は勇気のない女よ(笑)。とても“ブレイブ”とは言えないわね。普段の生活で誰かに復讐したくなったり、許せないと思うほど怒りを覚えること? めったに癇癪を起こしたりすることはないわ…電子機器を操作する時を除いてね。機械の操作は本当に嫌いなの。あれを扱うときだけは怒りで我を忘れちゃうわね(笑)」と茶目っ気たっぷりに語ってくれた。

そんな彼女に惜しみない賛辞を贈るのは、プロデューサーとして彼女と組んだジョエル。「ジョディはとても素晴らしいパートナーでした。こうしたテーマを映画にするというのは大変なことです。まさしく彼女の勇気がなせる業でした。プロデューサーとしての成功の秘訣というものをいつも聞かれますが、まず自分が観たい映画を作るということ。そして何より、ジョディやニールといった才能溢れる努力家と一緒に仕事をするということですね」と笑顔で語ってくれた。

「僕はとても勇敢な男だよ。僕の家にわざわざ近寄ってくるような輩もそうはいないだろうと思うよ」とおどけるのはジョーダン監督。撮影中、エリカというキャラクターに対して抱いていた心情をこう語る。「彼女の行為の非合法性を知りながらも、彼女に対してはシンパシーともいえる感情をずっと抱いてました。『いつになったら、そのシンパシーを感じなくなるのか?』と自分に問いかけ続けていましたが、最後まで失うことはありませんでした」。普段、自身の手による脚本でないと監督を引き受けないジョーダン監督が、今回は他人の脚本作品の監督を務めたが、初めて脚本を読んだときの印象について「私がこの作品の中で最も惹かれたのは、“一線を越える”という部分です。社会的で文化的なきちんとした生活をしていても、人間はあることをきっかけに、許されないことをしてしまうことがありうるのです」と説明した。

ジョエルがスタッフ・キャスト全員の気持ちを代弁するように発した「我々は、多くのことを問いかけてはいますが、答えは提示していません」という言葉が、映画を観る前から心に深く突き刺さる『ブレイブ ワン』。公開は10月27日(土)よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国にて。
《text:cinemacafe.net》

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