秋の夜長、人恋しくなったときに──vol.4 古き良き恋しきあの時代

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『ALWAYS 続・三丁目の夕日』 -(C) 2007「ALWAYS 続・三丁目の夕日」製作委員会
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2005年11月に公開されてから、驚異のロングランを記録し、284万人を動員したという『ALWAYS 三丁目の夕日』。それほどまでにヒットすれば、当然のように生まれるのが続編。懐かしさに号泣した人々の中には、これを待ち焦がれていた人も多いのではないでしょうか。先日行われた完成披露試写で、ついにヴェールを脱いだ『ALWAYS 続・三丁目の夕日』。こちらも泣けると評判です。

実は前作公開時には、“泣かす覚悟”のようなものが手に取るように見えていたため、観るのをためらっていたのですが、観たが最後、見事に“陥落”した私。“泣かす覚悟”が見えた感動の物語よりも、近所同士が支え合うとか、出稼ぎの少女を実の子のように大切に思うとか、そういった何気ない人情にホロリときてしまったのでした。

最近は、コミュニケーションの不足による思いやりの欠如が招く事件が増えているように感じます。話せばわかるようなことが、心のすれ違いにより大事に発展してしまったというような事件…。角界はじめ社会を揺るがす時津風部屋の事件はその代表なのでしょう。

相手に対する思いやりという“想像力”が、失われてきた原因はいろいろでしょうが、人と積極的に関わっていこうとする姿勢が失われてきたことも理由の一つであるはず。近頃は、同じマンションの住人に挨拶をしても、顔すら上げてもらえないという寂しいことも起きています。「悪い大人がいっぱいいるから気をつけて」という教育のせいでしょうか、子供たちに「こんにちは」と声をかけても、こちらを見たきり固まっている…ということも。確かに妙な大人が多いので、気をつけるに越したことはないのですけれど。声をかけたこちらが悪かったかなと思うほどに、現代は複雑なことになっています。いくら物騒な世の中でも、近所の人々との挨拶ぐらいなら出来ないことではないはず、と考えることすら難しくなっているのでしょうか。

そんな世の中になればなるほど、『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界に憧れる気持ちが強くなるのも当然。この映画が大ヒットするということは、古き良き日本を理想としている人が多いということなのです。だからこそ、「良い作品だったね」という一時の感想だけでなく、日本の良心のようなものが、これを機に再燃すればいいのにと思う次第です。

私自身、人恋しくなるというのとは違うかもしれないけれど、古き良きあの時代(もしくは昭和)にあった人情が恋しくなったのは事実。でも、当時の日本にあったのなら、現代の日本にだってまだまだああいった人情は存在しているはず。そう信じて疑わない私は、何度無視されようと、マンションの住人たちに元気に挨拶し続けているのです。

《text:June Makiguchi》

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