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フランソワ・オゾンの新たなミューズ、ロモーラ・ガライが語る『エンジェル』

小さな田舎町で質素に暮らす少女が、華やかな上流社会へ強い憧れを持ち、あふれんばかりの思いを書き綴り、小説家として人気を博す。名声と豪邸での贅沢な暮らし、名家に生まれた画家との結婚──。

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『エンジェル』 ロモーラ・ガライ photo:HIRAROCK
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小さな田舎町で質素に暮らす少女が、華やかな上流社会へ強い憧れを持ち、あふれんばかりの思いを書き綴り、小説家として人気を博す。名声と豪邸での贅沢な暮らし、名家に生まれた画家との結婚──。

フランソワ・オゾン監督の『エンジェル』で、自らの文才で道を切り開き、少女時代から見続けた夢を現実のものにしたヒロインを演じたのは『ダンシング・ハバナ』『タロットカード殺人事件』に出演し、舞台でも活躍するロモーラ・ガライ。オゾン監督の新たなミューズとなった彼女は、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)のワールド・ツアーの合間を縫って来日した。

RSCの舞台では、イアン・マッケランと共演する若き実力派のロモーラだが、『エンジェル』では10代から30代半ばという、少女から大人への微妙な変化を演じるのには苦心したという。
「それぞれの年代を演じ分けるにはメイクの力も借りるだろうと思って、フランソワに聞いたら、『何もやらなくていい』と言われたの。年齢に関係なく、本質的にエンジェルは全く変わらない人物だから。それが彼女の最大の悲劇と言ってもいいはずよ。一番苦労したのはディテールの表現。大仰なふる舞いは楽しんで演じられるけど、抑えた細やかな演技が大変だったわ」。

虚構の世界にはまり込み、自分で自分をよりドラマティックな境遇へと急き立てるように生きるエンジェル。常に感情を高ぶらせた極端なキャラクターを演じるのにはかなりのエネルギーが必要だ。
「毎日疲れ切った状態で家へ帰ると、すぐ寝て、また起きて仕事に行くという日々を13週間送ったわ。ただ、映画の撮影現場って、そういうものなのよ。短期間で集中して撮るものだから」。

オゾンにとって、これが初めての英語作品。当然、撮影現場での彼女との会話は英語だった。コミュニケーションの壁は?
「それはやっぱりあったわ。フランソワは本当に英語はうまいけど、英仏語での同音異義語というか、たとえば、グロテスクとかメロドラマとか、似ているけど、微妙に違うものを表す言葉があったりして、演出の細かい指示がなかなか理解できないことは何度かあったわね。最終的には解決できたけど」。

ところで、俳優にとってオゾンはどんな人物なのだろう? インタビューの場では、ときどき天の邪鬼に感じることもあるのだが。
「同じよ(笑)。とらえ難い人よね。どのシーンも、『ここは悲劇的にやるの? それともコメディ?』と自問しながら演じていたわ。彼は教えてくれないの。でも、わけもわからない状態で演じる曖昧さから生まれる力があるのよ。笑わせよう、泣かせようと思わないで演じるからこそ、リアリティが生まれるのよね。フランソワは観客を信じて、作品に巻き込んで一緒に遊ぶ監督なの。わざわざ説明的に見せなくてもわかってもらえると信じてる。彼の映画が愛されるのは、観客の一人一人に解釈を委ねる権利を与えているからだと思うわ」。

『エンジェル』は12月8日より日比谷シャンテシネ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。



『エンジェル』公式サイト
http://www.angel-movie.jp/
《text:Yuki Tominaga / photo:HIRAROCK》

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